新型コロナウイルス問題 出張上映全て中止 売上ゼロに 茨城映画センター

新型コロナウイルスの影響が映画業界にも及んでいます。
水戸市内で映画配給や出張映写などを手がける「茨城映画センター」は、3月に予定していた13回の出張上映がすべて中止・延期に追い込まれました。

「次々とキャンセルになってしまった。3月の売り上げは“ゼロ”です」と話すのは、代表取締役の本田映史さん(31)。
市町村と共催の上映会も、行政側の要請で軒並み延期に。
3月から4月後半までの約2か月で、損失は少なく見積もっても約360万円にのぼります。
「影響は東日本大震災の時よりも深刻だ」と話すのは、県外出張も中止になるなど、自然災害とは異なる感染症独自の難しさがあるからです。
当月の売り上げが次月の運転資金になるため、経営には深刻な打撃が。
「中小零細にとって、融資はあくまで借金。客足が戻るか分からない中での融資は、すぐには決められない」と漏らします。
事務所には、連日のように上映の有無を確認する問い合わせが相次ぎ、上映延期などの対応に追われています。
「映画などの文化活動は人の生死に直接関わるものではないが、こういう時に先に切られるのも文化活動」。事態の収束が見通せない中で、不安が募ります。

(茨城県・高橋誠一郎)

(「しんぶん赤旗」2020年3月27日付より転載)

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