土浦日大高事件 組合員の懲戒撤回求める 中労委が救済命令
茨城県土浦市の土浦日大高校を運営する土浦日本大学学園(佐藤豊理事長)が、職員の職場復帰を伝えるニュースを配布したとして組合員3人を懲戒処分し、文書配布を制限した事件で、中央労働委員会は10月31日までに、学園側の不当労働行為を認定し、懲戒処分と文書配布制限の撤回を求める救済命令を出しました。
茨城県私立学校教職員組合が同日、会見して明らかにしました。
この事件は、学園側が嫌がらせをしても辞めようとしなかった職員の砂岡孝治さん(49)を2010年6月に解雇したのが発端。
その後、裁判で和解が成立して2012年4月に職場復帰しました。
それを伝えた組合のニュースに学園側がいいがかりをつけ、文書配布を制限しました。
2013年12月、県労働委員会は処分を受けた3人のうち、砂岡さん1人については処分を撤回し、文書配布の制限も撤回するよう命令を出しましたが、双方が不服を表明し、中労委に申し立てていました。
砂岡さんは2015年7月に再び解雇され、現在、水戸地裁土浦支部で解雇撤回と職場復帰を求めて裁判をたたかっています。
会見した砂岡さんらは、「学園側は今回の命令を受けとめ、職員いじめはやめて教育にこそ力を注いでほしい」とコメントしました。
(「しんぶん赤旗」 2016年11月4日付より転載)