「JCO臨界事故」忘れない 茨城集会 福島原発事故 被災者無視の国を告発
茨城県東海村の核燃料加工会社「JCO」で起きた臨界事故の教訓を学ぶ「JCO臨界事故を忘れない、原子力事故を繰り返させない2016年9・30茨城集会」が9月24日、東海村内で開かれました。
同茨城集会実行委員会(田村武夫実行委員長)の主催。150人余が参加しました。
「フクシマ無念~漂流はつづく」と題して講演した写真家の菊池和子さんは、福島第1原発の事故から避難している人の住宅の庭に雑草が繁茂し、室内も荒れ果てた様子や避難住民の暮らしぶりなどを写真で紹介。
原発事故関連の死者も増えていることも指摘し、「避難解除は放射線量の高いところに住民を帰そうというもの。国は被災者を無視している」と告発しました。
東海第2原発について、「県原発を考える会」の中村敏夫会長は、▽基準地震動だけを引き上げ、プラントの耐震補強はしていない▽圧力容器の劣化を調べる試験片がひとつだけしか残っていないので、調査不可能▽原子力規制委から難燃性ケーブルへの交換を要求されている─などと指摘。
「住民側は正当な要求を手放さないで運動をすすめていくことが大事になっている」と強調しました。
集会は福島原発事故の「収束宣言」の撤回や東海第2原発の廃炉などを求めたアピールを採択しました。
JCO臨界事故
1999年9月30日、茨城県東海村の核燃料加工会社「JCO」で発生した原子力事故。
強烈な放射線を浴びた作業員3人のうち2人が死亡。
周辺住民ら660人余が被ばくし、31万人余に屋内退避が勧告されました。
臨界事故について十分な教育を受けていない作業員が高濃縮のウラン溶液を「裏マニュアル」のバケツを使い、沈殿槽に大量に投入した過程で核分裂反応が連続して起きる臨界が発生。
同社の工程管理のずさんさが浮き彫りになりました。
(「しんぶん赤旗」首都圏版 2016年9月25日付より転載)