県議選筑西市区 1減の2議席を4人が争う 新中核病院の悲願実現へ 鈴木さとし氏
茨城県議選で定数2(1減)の筑西市区は、2013年の補選で自共対決を制し、筑西市区初の共産党議席を実現した鈴木さとし氏(69)の再選が最大の焦点。
現職3人と無所属新人が2議席を争います。
鈴木氏は、「新中核病院は市民の悲願。力を合わせて、何としても実現しましょう」と一貫して訴えています。
筑西・下妻保健医療圏は医師数が全国平均の半分以下。
がん診療体制や救命救急病院もありません。
筑西市では救急搬送中の死亡も少なくありません。
「助かる命が助からなかった、悔しい。病院さえあれば」。鈴木氏や党事務所には遺族らから悲痛な声が数多く寄せられています。
「病院実現は本当に切実」というのは筑西市の女性(71)。
9月4日未明、「頭が割れそうだ。足が動かない」と訴える夫(74)を119番で救急搬送しただけに人ごとではありません。
幸い、隣接市の脳外科専門病院に搬送されて事なきを得ましたが、「運がよかっただけ。市外や県外の病院に入院となれば大変で、高齢者や1人暮らしだったらお手上げ。鈴木さんに頑張ってほしい」。
他陣営から、「共産党では実現できない。自民党が動いてこそ」などの口コミが流される一方、市民から「県議1年目の鈴木さんが一生懸命、知事を納得させる質問もしてくれた。もっと前に自民党がやんなくちゃなんねかったんだ」と反撃の声も。
つなぎ資金の無利子化実現
米価暴落の影響が広がっています。
筑西市は県内屈指の米どころだけに、影響は一層深刻です。
鈴木氏は県議会で、米価暴落の緊急対策を繰り返し要求。
「つなぎ資金」の無利子融資制度が実現しました。
市内の米作農家(70)は、「県議会で米価のことを質問したのは鈴木さんだけだよ。おれは何十年も自民党をやってきたけども、何にもうちだしてくんねぇ。今度は鈴木さんをやる」ときっぱり。
「共産党だ何だって、かまうめえ。なんもやんねえ議員じゃ、しょうがなかっぺよ」(業者)の声があがり、ビラまきの党員に「鈴木さんが一番だ」と住民が次々話しかけ、「こんなことは、これまでなかった」と党員が驚く場面も。
他方、補選で鈴木氏を支持した住民宅に他のポスターが張り出されるなど、地縁・血縁の締め付けで切り崩しも激烈です。
自民現職は7月に決起集会を開き、党宣伝カーを走らせるなど「自民公認」を前面に押し出し、業界・団体の締め付けを強めています。
民主現職は、連合系労組や子育て支援団体、医師会関係者らを基盤に、“どこにでも顔を出して名刺を配る”といわれる活発な動き。
新人予定候補は、合併後の市議選でトップ当選した元筑西市議。
地縁・血縁をいかした後援会づくりに躍起です。
党派を超えた一致点で共同
共産党筑西市委員会の国府田喜久男委員長は、「定数2で議席をめざすには、今までやったことのない取り組みが必要。過半数を得票してトップ当選する構えでないと勝てない」といいます。
鈴木氏を先頭に、党と後援会は旺盛に対話を進めています。
5万枚活用した「鈴木リーフ」の第2弾を新たに4万3000枚作製。
支持者をはじめ、広範な市民に数十枚届け、対話の“担い手づくり”を精力的に広げています。
「党派を超えた一致点での共同を、どれだけ広げ切れるかがカギです」(国府田市委員長)
略歴
県立下館一高商業科卒業。
日本ハム茨城工場、氷川下セツルメント病院勤務。
下館市議・筑西市議(1975年4月から通算10期)、党筑西市議団長。
茨城県議補選筑西選挙区当選(2013年9月)。
茨城県議(現在1期目)
(「しんぶん赤旗」首都圏版 2014年11月14日付より転載)