ひたちなか市議会全員協議会での山形由美子議員の質問と日本原電の答弁について
7月30日、ひたちなか市議会全員協議会が開かれ、日本原電による東海第2原発適合性審査申請の内容についての説明と質疑が行われました。
日本共産党・山形由美子議員の質問と日本原電の答弁を紹介します。
なお山形市議は、6月12日の会派代表者会議で市民の傍聴を認めるよう発言しましたが、「これまで全員協議会の傍聴を認めていない」ことを理由に、「今後検討する」とし、7月30日の住民の傍聴は認めませんでした。
適合性審査申請内容についての山形市議の質問と日本原電の答弁
<山形市議の質問>
原電は、3波のひとつの基準地震動を600ガルから901ガルに引き上げた。しかし格納容器、圧力容器などの耐震補強はおこなわれていない。東海第2原発の設置許可はもともと30年。定期検査ではシュラウドサポートに無数の亀裂が見つかっており、3年前の大震災による影響もわかっていない。「901ガルに引き上げたから大丈夫」ということにはならないのではないか。
<日本原電の答弁>
格納容器、圧力容器の耐震化をおこなう。現在おこなっているところだ。
<山形市議の所見>
「格納容器、圧力容器の耐震化をおこなう」と原電が言ったのは初めてです。
<質問>耐津波設計では、高さ18~20メートルの防潮堤を2キロにわたって造る計画であるが、何年かかるかわからない。覚書に「使用済み核燃料の安全対策を積極的に講ずる」とある通り、まず使用済み核燃料の乾式キャスク化を急ぐべきではないか。「どうしても防潮堤の建設を」というのは、再稼働を前提としているとしか考えられない。
<答弁>乾式キャスクにする作業は進めていく予定だが、安全審査が終わらないと進められないという決まりがある。
<所見>こうした決まりがあると言うのも初めて聞きます。市も安全審査後にしかできないというのは聞いたことがないと言っています。
<質問>格納容器破損防止・放射性物質の拡散抑制の対策として、フィルター付きベント装置を設置するということだが、「放射性物質は外に出さない・閉じ込める」というのが原則だったが…。
<答弁>これまで「5つの壁で守られている」としていたが、福島第1原発では水素爆発を起こしてしまった。フィルター付きベントは万が一の場合の対策として考えている。フィルターによりセシウムは1/1000に、放射性ヨウ素は吸収される。取れないのは希ガス。これは人体には影響がない。原発事故はほんとに起こるかと言えば、リスクはゼロとは言えないのでこうした対策を考えている。
<所見>希ガスのクリプトン85は肺がん・白血病の発症が疑われています。原電は言葉に注意しながら説明していました。フィルター付きベント装置についても「外に出す」ものとは言いませんでした。
<質問>規制委員会での審査状況は?
<答弁>2回審査結果が出されている。指摘を受けたのは28項目。一番大きいのは難燃性ケーブルの問題だ。原電としては18.5キロに及ぶケーブルを難燃性に変えるのは難しく、防火塗料の塗布を考えている。
<質問>市民への説明会は?
<答弁>市民のみなさんにはチラシ・ホームページ等で十分な広報をおこなっている。東海村民にも自治区毎に説明をおこなった。ひたちなか市については今後、市と相談し進めていきたい。
以上