土浦日大解雇職員のビラ配布制限は不当労働行為 茨城県労働委員会
茨城県土浦市の土浦日大高校を運営する学校法人・土浦日大学園から「解雇撤回」のビラ配布を理由に懲戒処分とビラ配布を制限された職員3人が救済を申し立てていた事件で、県労働委員会(小泉尚義会長)は12月18日、命令書を出しました。
ビラ配布制限を不当労働行為と認定する一方、処分を受けた3人のうち、解雇され裁判をたたかった職員1人を除く2人については不当労働行為と認めませんでした。
土浦日大高校をめぐっては、いやがらせを受け、2010年6月に解雇された砂岡孝治さん(46)の解雇撤回を求めた裁判で▽砂岡さんは「解雇」を受け入れる▽学園側は解決金を支払い、再び採用する─という内容で和解が成立。12年4月に職場復帰しました。
この内容を報じた砂岡さんを「守る会」のビラに「解雇撤回」との記載があったことに、社会的信用を侵害されたとして、学園側が砂岡さんら3人に懲戒処分を行い、ビラの配布を制限。
学園側は、組合委員長や砂岡さんらに損害賠償を求めて提訴しました。
「守る会」は、「訂正ビラ」を発行するなど誠実に対応。今年3月、水戸地裁土浦支部は「社会的信用を損なう程度は大きくない」と学園側の請求を棄却しました。
記者会見した支援者らは、「命令書は地裁判決に反する内容になっており、問題がある」とコメント。
砂岡さんは、「2人の処分が撤回されなかったのは残念。学園側には組合敵視の姿勢を改め、労使関係の正常化につとめてもらいたい」と話しました。
(「しんぶん赤旗」 2013年12月20日付より転載)