政令201号・土井事件 日弁連が人権救済の画期的勧告

日本弁護士連合会(日弁連)はこのほど、土井尚義さんが申し立てた「政令201号に関する人権救済申立」は正当なものとして、安倍晋三首相など3氏に勧告しました。
土井尚義さんと「支える会」は、政令201号弾圧により受けた、解雇・名誉毀損・年金などの不払いについて、2011年4月、日弁連の「人権擁護委員会」に、解雇撤回・名誉回復、損害の補償などを関係機関に求める「勧告」を出すよう求めました。
人権擁護委員会は2012年5月に申し立てを正規に受理し、調査を開始。
2013年8月22日、日弁連はポツダム宣言との関係、日本国憲法や労働法規など様々な角度から検討し、精査した結果、土井尚義氏の申し立ては正当なものと断定、8月29日、以下の3氏に調査報告書を添えて「勧告」しました。

  • 内閣総理大臣・安倍晋三
  • JR支援機構・理事長
  • 国土交通大臣・大田昭宏

なお2013年5月1日、メーデーの最中、土井尚義さんは、働くものの生活と権利を守るため闘いぬいた92年の生涯を終えました。
土井さんの意思は、苦難を乗り越え、共に歩んできた妻、道子さんに引き継がれました。
公務員の争議権剥奪の違法性と背景を解明
「支える会」は、土井さんの申し立てを受理するよう求め、5年にわたり、ポツダム宣言の内容と新憲法が公布された下でのマッカーサー書簡やそれに基づく政府が出した政令などの違法性など、様々な角度から解明し、日弁連に「人権救済申立書」を提出していました。
日弁連は、こうした主張も検討し、公務員の争議権を剥奪した違法性まで調査した「調査報告書」を提出しました。
今回の「勧告」と「調査報告書」は、公務員の争議権の回復にもつながるもので、公務員の今後の闘いにとって極めて重要な内容となっています。
なお、匿名化された「調査報告書」は日弁連の公式Webサイトからご覧頂けます。
日弁連の勧告書および政令201号に関する人権救済申立事件調査報告書(原文・PDF)

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