北茨城市でPFOA目標値の1,280倍検出 江尻県議が対策求める 茨城県議会委
日本共産党の江尻加那茨城県議は、12月9日の県議会防災環境産業委員会で、北茨城市内の地下水から国の暫定目標値を1,280倍上回る有機フッ素化合物(PFOA)が検出された問題をめぐり、県相談窓口の設置や検査の拡大を求めました。

委員会で質問する江尻県議(中央奥)=12月9日、茨城県議会
県環境対策課によると、今月3日、北茨城市の合成ゴム製造事業者からの県への報告で明らかになりました。
事業者が昨年12月から今年4月にかけて行った自主検査で分かったもので、国基準の50ナノグラムを大幅に超える、最大6万4000ナノグラムのPFOAを検出。調査した19の井戸のうち、18の井戸で国基準を超過していました。
事業者は1987年から2014年までPFOAを使用していましたが、現時点での使用・保管はないとしています。
江尻氏は、自主検査から県への報告・公表まで半年以上が経過している点について、住民に対する事業者の社会的責任を指摘するとともに、住民の不安を解消するための県の対策に言及。
▽県としての相談窓口の設置▽敷地境界から約500メートルとする国基準での水質調査拡大▽市内の大北川と周辺河川の水質調査▽農産物への残留検査─を求めました。
石崎孝幸環境対策課長は、「(県内で)事業所を洗い出して検査・調査をかけたい」と答弁。北茨城市での水質調査の範囲をめぐり、現行の調査で事業者が立地する上相田地区の半分が網羅できるとし、「まずは500メートル周囲で汚染拡大を確認したい」と述べました。
2022年に実施した大北川や花園川での水質調査では、いずれも未検出だったとしました。
江尻氏は、「地元住民の心配は当然だ」と強調。住民説明会の実施を求めた江尻氏にたいし、県は「事業者で検討している」と答えました。
(「しんぶん赤旗」2025年12月10日付より転載)
