不要作業で原発火災 日本原電が対策報告 議員全員協議会 茨城・東海村
茨城県東海村議会で10月16日、議員全員協議会が開かれ、今年2月4日に発生した東海第2原発(東海村)の中央制御室火災について、日本原電が再発防止対策と安全管理の徹底についての最終とりまとめを報告しました。質疑の中で原電担当者は、原因となったヒューズ交換が不必要な作業だったと認めました。
とりまとめでは、東海第2原発の心臓部と言われる中央制御室での火災の原因について、爆破弁の作動試験時、ヒューズ0.5アンペアを10アンペアに変えたことで発火したと説明しました。各議員は、10アンペアに変えた時の状況や職員の認識、作業手順書、ヒューズ交換の必要性などについて次々に質問。原電担当者は、「本来、ヒューズ交換の必要性はなかった」と答え、結果として、現場の判断で作業が行われたことが示されました。
とりまとめには「努力する」などの文言はありますが、具体的な再発防止策や安全管理対策は示されず、議員からは「精神論だけではないか」と批判の声が上がりました。
日本共産党の大名美恵子東海村議は、東日本大震災の3・11以降、長く停止していた東海第2原発に対する職員の気の緩みを指摘し、「原子力発電所でおきた火災の認識を重く受け止めなければならない」と強調しました。
東海第2原発では、2022年9月以降12件もの火災が発生し、防止対策を進める中での中央制御室の火災に対しては、県と村からは厳重注意が出されていました。
(「しんぶん赤旗」2025年10月17日付より転載)