救急車を一部有料化へ 江尻議員が批判 「医療体制の拡充を」 茨城
茨城県は7月26日、救急車で県内の大規模な病院に搬送されても緊急性がないと医師が判断した場合に、患者から7,700円以上の「選定療養費」を徴収する方針(救急車の有料化)を明らかにしました。今年12月1日をめどに運用を始めたいとしています。日本共産党の江尻加那県議は「重大事態を招きかねない」と指摘しています。
大井川和彦知事が同日、定例記者会見で発表。県によると、都道府県レベルでは初で、対象は県内の一般病床200床以上の重点医療機関25病院のうち23病院。2病院は「検討中」と言います。
「選定療養費」は従来、かかりつけ医を通さず大病院を受診した人から病院が徴収していますが、緊急搬送された人は対象外でした。今後、徴収するかどうかの基準などについて、「関係各機関と調整を進める」としています。
知事は会見で「搬送されてくる救急患者の約半数が軽症患者だ」と強調。「一刻一秒を争う方の搬送が、軽症者の搬送のために手が回らなくなることも想定されうる」、「不要不急の症状で救急要請は、ちょっと立ち止まって考えていただきたい」と語りました。
江尻県議は、「あまりにも唐突な提案。緊急性がないとして、料金徴収を行う病院でのトラブルや、判断を行う医師の葛藤、救急搬送の抑制で重大事態への心配など、危惧する点に県は答えていません。医療体制がぜい弱な茨城で必要な対策は、お金を徴収して搬送車を減らすことではなく、救急や医療機関の体制を拡充することだ」と批判しました。
(「しんぶん赤旗」2024年8月3日付より転載)