料金値上げの恐れ「1県1水道」 水戸市長「参入せず」 共産党市議団、繰り返し問題指摘

水戸市の高橋靖市長は9月11日、水道事業をめぐり、茨城県が進める「1県1水道」に参入しないことを表明しました。
日本共産党市議団は、「水道料金の値上げになりかねない、県の過大な水源開発の責任を市町村に押し付けるものだ」と批判し、参入しないよう求めていました。

1県1水道は、市町村などが管理・運営する水道事業を県内で一本化し、料金などの統一をめざすものです。

同日の市議会で高橋市長は、市独自の検証で、水戸市の給水原価が1県1水道に移行した場合に比べ、安く抑えられると答弁。「市民負担の増大と水道の安定供給、健全経営を考慮した結果、広域連携には参加しない」と表明しました。

問題を繰り返し指摘してきた日本共産党の田中真己議員は12日の一般質問で、「市町村の自己水源を閉じさせて、余っている高い県の水を買わせることが目的だ」と強調。
県内105か所ある浄水場について、対象となる浄水場を明らかにしないまま35か所にまで減らす県計画の問題を指摘しました。

また、水余りの中で市が受水している県水道の停止と、県中央広域水道からの撤退、霞ヶ浦導水事業の中止を求めました。

圷貴之水道部長は、1県1水道への不参加で、「低廉で安全・安心な水道を供給できるよう努める」と答弁。導水事業をめぐっては、県水道料金の値上げを念頭に、「負担増につながることを懸念している」と認めました。

水道経営一体化中止を 日本共産党・田中真己市議団長の話

党市議団は、県が推進する1県1水道と経営一体化について、水道料金値上げや7割もの浄水場廃止で災害リスクを高めるとして反対し、議会でも市が参入しないよう繰り返し求めてきた。

市長が「1県1水道をめざす経営一体化には参加しない」と表明したことは、市民の利益にかなう重要な決断として評価できる。

特に、参加しない理由について県のシミュレーションを市独自に検証した結果、「独自経営を維持した方が給水原価を安く抑えられる」とした点が重要だ。他自治体でも独自検証を行えば、県と異なる結果が出る可能性が高い。

県は不当にもシミュレーションの根拠データを非公開にしているが、水道という重要なライフラインに関わる問題であり、徹底した情報公開を求めたい。

市の不参加表明によって、県が進める1県1水道は早くも頓挫した。他自治体の住民にとっても水道料金値上げや浄水場廃止など、大きな不利益をもたらす水道経営一体化を中止させるため、引き続き力をつくす決意である。

(「しんぶん赤旗」2023年9月13日付より転載)

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