強化される米軍・自衛隊基地 百里基地 多国間訓練が急拡大
茨城県平和委員会事務局長 篠原睦さん
百里基地(茨城県小美玉市)を戦争の拠点にしない、百里平和公園を平和の拠点にしたいと活動しています。百里基地は今、日米合同訓練などが急増しています。
中国包囲明らか
2021年7~8月に千葉県の木更津駐屯地から陸上自衛隊のオスプレイが飛来して訓練し、12月に日米合同訓練が行われました。22年になると、3月にオーストラリア軍、9月にドイツ軍と初めての合同訓練、11月には青森県の三沢基地から飛来した米空軍のF16戦闘機との合同訓練が行われました。
今年に入り、1月にインド空軍との初めての合同訓練を行いました。米軍を中心に、NATO諸国や日米豪印の「クアッド」の軍事的連携を強化し、中国を包囲するための訓練であることは明らかです。私たちは百里基地正門前で訓練中止の申し入れと抗議集会を行ってきました。インド空軍との合同訓練の反対集会には、70人が集まりました。
昨年11月の日米合同訓練では、NHKが夕方の番組で米軍のコメントをそのまま放映し、訓練に抗議する地域の運動はまったく取り上げませんでした。私たちは11月16日、NHKに強く抗議し、改善を求めて申し入れました。
このようなマスコミの報道姿勢を批判すると同時に、全国に広がる大軍拡・大増税ノーの声を取り上げるよう要請することも大事になっています。
住民生活脅かす
昨年10月、初めて百里基地から周辺自治体に「飛行訓練を行う」という通知がありました。小美玉市長は百里基地周辺での午後10時以降の訓練を差し控えるよう要請し、自衛隊はしないと回答しましたが、実際には午後10時をすぎても訓練をしていました。米軍や自衛隊が必要であれば、いつでも住民の生活や人権を侵害できるように既成事実化をしようとしているのではないでしょうか。
今年2月11日、「大軍拡を許さない 憲法9条、ここにあり」と平和公園で毎年恒例の百里初午まつりを開き、400人が集まりました。誘導路を「くの字」に曲げた平和公園に、土地利用規制法がいつ牙をむくかもわかりません。さらに運動を広げていかなければいけないと思っています。
(「しんぶん赤旗」2023年5月23日付より転載)