茨城・東海第2原発 再稼働さらに困難 千葉・松戸 感染症で避難受け入れ半分

日本原子力発電東海第2原発(茨城県東海村)の「広域避難計画」をめぐり、住民の避難先の1つになっている千葉県松戸市が、感染症対策をふまえ、従来想定していた避難住民の受け入れ人数を半分以下に減らしたことが分かりました。

(茨城県・高橋誠一郎)

松戸市はこれまで、東海第2原発の事故発生時、茨城県水戸市から1万5889人を受け入れる計画でした。

市内全域が原発周辺30キロ圏内に含まれる水戸市は避難先の再調整が必要になり、策定作業は感染症対策という新たな課題にも直面しています。

松戸市は9月1日の市議会で、「感染症防止対策も考慮し、1人あたりの専有面積を4平方メートルで算出した」と説明。
これまで2平方メートルとしていた面積を広げたことにともない、受け入れ人数も7,162人に減らしました。

計画策定をめぐっては、トイレや倉庫などの非居住スペースが避難所面積に含まれ、収容人数が過大に算定されていた問題が発覚。
水戸市防災・危機管理課によると、避難先となる県外31自治体に非居住スペースを除いた面積を算定するよう、独自に調査を依頼していました。
水戸市は松戸市の回答について、「感染症と防災対策は切り離せない」とし、感染対策を踏まえた計画の策定作業を急ぐとしています。

東海第2原発の広域避難計画は原発周辺30キロ圏内の14市町村が策定することになっていますが、現時点で「策定済」となっているのは、大子町など県内5市町のみ。
要配慮者の支援や移動手段の確保など課題は山積しており、依然として策定作業は難航しているのが実態です。

水戸地裁は3月、避難計画の不備などを理由に東海第2原発の運転を差し止める判決を言い渡しています。

(「しんぶん赤旗」2021年9月8日付より転載)

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