普通の生活に月25万円 茨城労連と茨城大 最低生計費調査を公表

茨城県労働組合総連合(茨城労連、白石勝巳議長)と茨城大学・長田華子准教授の研究室は7月29日の記者会見で、水戸市内で若者が普通に暮らすには男女ともに月額約25万円が必要だとする、茨城県の「最低生計費試算調査」の結果を公表しました。

(茨城県・高橋誠一郎)

「調査が最賃の引き上げにつながることを望む」と話す茨城労連の白石勝巳議長

「調査が最賃の引き上げにつながることを望む」と話す茨城労連の白石勝巳議長(右から2番目)=7月29日、茨城県庁

この調査は、生活実態や生活用品などの持ち物を聞き、「普通の生活」をするために必要な費用を算出するもの。
茨城労連が茨城大学の協力を得て、2~5月に1,358人から回答を集めました。

時給換算、約1,450円

今回発表されたのは、このうち10~30代の1人暮らし世帯190人分の調査結果。
水戸市内で10~30代が1人暮らしをするには、男性が月額25万2987円、女性が月額25万1124円(いずれも税・社会保険料込み)で、年間約300万円必要なことが明らかになりました。

東京都北区での調査を男女ともに約3,000~5,000円上回ったものの、大きな変化はありませんでした。
家賃が高い都内に比べ、地方では自家用車の維持費がかかるため、同レベルの生計費になったとの分析。

時給に換算すると、法定内労働時間(月173.8時間)で男性1,456円、女性1,445円が必要。
ワークライフバランス(月150時間)を考慮すると、男性1,687円、女性1,674円になりました。
茨城県の最賃は849円で、低すぎる最賃の実態が浮き彫りとなりました。

会見で、静岡県立大学短期大学部の中澤秀一准教授は、「全国一律で時給1,500円にすべきだという結論に達した。貧困を脱却し、“密”を解消するには、最賃を引き上げて、どこに住んでも同じ賃金にするべきだ」と述べました。

先日行われた中央最低賃金審議会では、最賃引き上げについて現行水準の維持を掲げ、目安額を示しませんでした。

コロナ禍でも賃金増を

調査を行った茨城大学3年の男子学生は、「コロナ禍の下で求められているのは、雇用を守ることと賃金を上げることのどちらかではなく、双方だということ。(最賃の引き上げで)中小企業の経営が悪化するのであれば、政府が中小企業の負担軽減を重点政策として取り組むべきだ」と力説しました。

茨城大学4年の女子学生は、「若い世代が未来に希望をもてるようにするには、現状の最賃では低すぎる」、「来年度の就職先の賃金が調査結果を下回っていて、社会に出るのが怖い」と吐露。
最賃の審議会を公開するなど、「オープンな場で議論してほしい」と要望しました。

長田華子准教授は、「調査に大学が関わったことは全国では初めてのことだ」、「(学生が)日本の未来について考えるきっかけをつかむことができ、とても意義深かった」と語りました。

茨城労連の白石議長は、「今回の調査結果が茨城地方最低賃金審議会での資料に用いられ、最賃の引き上げにつながることを望んでいる」と話しています。

(「しんぶん赤旗」2020年7月31日付より転載。詳細な資料は茨城労連Webの「最低生計費試算調査結果 20年7月29日」をご覧ください)