旧動燃の差別明らか 是正裁判で原告側が実態詳述 水戸地裁
核燃料サイクル開発機構(旧動燃)の労働者6人が組織統合で発足した日本原子力研究開発機構を相手取り、不当差別の是正を求めている裁判の第13回口頭弁論が5月31日、水戸地裁(前田英子裁判長)で開かれました。
裁判官交代に伴う更新弁論で、原告側の平井哲史弁護士が、動燃総務部次長だった西村成生氏(1996年1月に怪死)が残したメモ(西村資料)を原告側が提出していることに言及。動燃当局が警備公安警察から情報を得て職員を「敵性」判定し、共産党員とその支持者を「非良識派」とみていたことを示すものと指摘しました。
平井弁護士はまた▽動燃当局が原告みずからの結婚式に招いた職場の同僚に対して、式に出席しないように圧力をかけ、人間的交流も制限しようとした▽「非良識派」職員を枢要業務からはずす、または、遠隔地事業所への「封じ込め」などの人事をしていた▽昇級(昇給)差別についても、被告が提出したデータで明らかだーなどと差別の実態をあらためて詳述しました。
被告側が「西村資料には信用性がない」などと主張していることについて、平井弁護士は「西村氏の配偶者から提出されたもので、出所もはっきりしている。信用性は揺るがない」と反撃しました。
(「しんぶん赤旗」首都圏版2018年6月2日付より転載)