容器開封時に空気音 原子力機構被ばく「腹部に風圧」
日本原子力研究開発機構の大洗研究開発センター(茨城県大洗町)で作業員5人が被ばくした事故で、原子力機構は6月9日、核燃料物質が入った金属製容器を開ける際、中から空気が漏れるような「シュー」という音がしたことを明らかにしました。放射性物質が漏れていないか調べましたが、検出されなかったため作業を続け、内側のビニール袋が破裂したといいます。同日開かれた文部科学省の調査チーム初会合で報告しました。
文科省と原子力機構によると、金属製容器の開封は、肺から2万2000ベクレルのプルトニウム239が検出された50代の男性職員が担当しました。6本のボルトで固定されたふたの4本目を外した時点で、空気が漏れるような音がしたため作業を中断。容器の周囲を拭うなどして調べましたが、放射性物質は検出されず、作業を続行しました。
残り2本のボルトを外し、ふたを開けたところで突然、中の袋が破裂しました。職員は機構の聞き取り調査に対し、「袋が破裂した際、腹部に風を感じた」と話したといいます。
6月9日の会合には、機構の児玉敏雄理事長が出席。「専門家集団としてあるまじき事態で、重大かつ深刻に受け止めている」と謝罪しました。
(「しんぶん赤旗」2017年6月10日付より転載)