思想信条で差別明白 旧動燃裁判で原告側意見陳述 水戸地裁

核燃料サイクル開発機構(旧動燃)の労働者が組織統合で発足した日本原子力研究開発機構を相手取り、不当差別の是正を求めている裁判の第9回口頭弁論が6月1日、水戸地裁(河田泰常裁判長)で開かれました。
この日の口頭弁論で今年3月に追加提訴した川上秋雄さん(63)と今井忠光さん(66)の2人がそれぞれ意見陳述しました。これで原告は6人になりました。
労組役員として自由にものが言える職場をつくるために組合員の要求に根ざした活動をすすめてきた川上さんは意見陳述で、▽自分の結婚式に招いた職場の同僚に当局が出席しないように圧力をかけ、式を妨害した▽東海村議選で民主的候補を応援してから、本来の業務をはずされた-などの体験を語り、「思想・信条で差別されたことは明らかだ」と訴えました。
今井さんは、懸命に仕事をしてきたにもかかわらず、長年にわたって昇格が見送られてきたのは”見せしめ”だったと主張。アスファルト固化施設の火災・爆発事故や「もんじゅ」のナトリウム漏れ事故などにも言及し、「動燃は改革を迫られてきたが、あしき体質は残されたままだ」と指摘。「違法・不法行為はこの裁判で断罪されなければならない」と述べ、裁判長に公正な判決を下すよう求めました。

裁判終了後の報告集会で決意を述べ、支援を訴える(後列右から)川上秋雄さん、今井忠光さん=6月1日、水戸市


(「しんぶん赤旗」首都圏版2017年6月2日付より転載)

おすすめ