自衛隊勧誘の現状は 水戸 布施祐仁氏招き講演会
「経済的徴兵制とは何か?~”就職”と”徴兵”のはざまで」と題した講演会が4月26日、水戸市内で開かれました。「安保法制に反対する茨城大学有志の会」が主催したもの。
講演したジャーナリストの布施祐仁氏は、兵士「志願制」を形式的にとっているアメリカで、貧困などの経済的理由で就職先に兵隊を選ばざるをえない”経済的徴兵制”の実態を詳述。日本の自衛隊についても▽強行された「集団的自衛権」行使を容認する安保関連法▽少子化による若者人口の減少-などで隊員確保に危機感を募らせ、「自衛隊ではいろんな資格がとれる」「宿舎費や食費などが無料」などとPRしながら、勧誘している現状をリアルに報告しました。
自衛官の仕事が、”魅力的”に映る背景について、布施氏は民間企業での雇用環境の悪化やブラック企業の横行、貧困と格差の拡大などをあげ、生徒の就職先の一つに自衛隊も視野に入れざるをえないと苦悩している進路指導担当の高校教師もいると紹介。
「『経済的徴兵制』は、貧困がさらなる貧困を生みだす構造になっている」として「貧困と戦争は密接な関係にあることを考えていかなければならない」と訴えました。
(「しんぶん赤旗」首都圏版2017年4月29日付より転載)