旧動燃の不当差別指摘 是正訴訟 原告側、内部文書示す 水戸地裁
核燃料サイクル開発機構(旧動燃)の労働者4人が、組織統合で発足した日本原子力研究開発機構を相手取り、不当差別の是正を求めている裁判の第6回口頭弁論が10月13日、水戸地裁(河田泰常裁判長)で開かれました。
原告側は、旧動燃の元幹部が所持していた内部文書を証拠書類として提出。
職場の安全確保を求める労働者について、当局が異性を含む交友関係やサークルでの活動状況、「赤旗」購読の有無、日本共産党員とその支持者か、民青同盟員かどうかなどを警備公安警察と一体になって調査していたことを示す資料だと指摘し、その不当性を追及しました。
内部文書には、地元警察から照会を受けた労働者が共産党県議候補の演説会に参加した情報を確認し、業務から排除するまでの経過も克明に記されていました。
一連の内部書類は「動力炉・核燃料開発事業団」と印刷されたリポート用紙も使われていました。
そこにはページごとに「マル秘」や「厳重注意」などと記され、役職ごとの回覧印欄もあり、差別する目的で秘密裏に労働者の身辺を組織ぐるみで探っていたとみられています。
また、この日の裁判で原告側は、「どの程度の格差があるのか」と述べ、差別の実態を検証するために他の同期同学歴就職者の賃金データを提出するよう被告側に要求しました。
次回口頭弁論は12月15日。
(「しんぶん赤旗」 2016年10月14日付より転載)