司法は憲法の守り手になれるのか 戦争とのたたかい・歴史紹介 水戸でシンポ

「司法は憲法の守り手になれるのか~百里基地訴訟を通して考える」と題したシンポジウムが9月3日、水戸市内で開かれました。
茨城県弁護士会(山形学会長)などが主催したもの。

基調講演に立った百里基地訴訟弁護団長の内藤功弁護士は、1950年代半ばからの百里基地誘致運動や建設強行に反対する地元住民のたたかい、法廷内外でのたたかいなどの歴史を詳しく述べました。
内藤氏は、▽射撃場山に「自衛隊は憲法違反」との看板が立てられている▽基地反対派住民の土地が誘導路を「く」の字に曲げている─などの現状にふれ、「戦争のためには土地は売らない」とたたかってきた農民の声を紹介。
「裁判を通じて憲法9条への確信を深め、たたかい方を学んだ」と強調しました。
この後にパネルディスカッションもおこなわれ、「なぜ裁判所は自衛隊や安保条約などについて憲法判断を避けるのか」などについて、内藤氏と専修大学教授の榎透氏が意見を交わしました。

百里基地訴訟

航空自衛隊百里基地(小美玉市)の管制塔正面に位置する土地(約2ヘクタール)の所有権をめぐり、基地反対派の農民と国が争った裁判。
農民側は「憲法9条に違反している自衛隊のための土地取得は違法」と主張。
一審(水戸地裁、1977年2月)、二審(東京高裁、81年7月)、最高裁(89年6月)とも国側が勝訴。
いずれも自衛隊についての明確な憲法判断を回避しました。
(「しんぶん赤旗」首都圏版 2016年9月6日付より転載)

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