切実な要望・意見 政府、各省庁に伝え交渉
日本共産党茨城県委員会は11月25日、アンケートや市町村議員などに寄せられた要望を政府、各省庁に伝え、実現を求めました。
要請行動には、大門実紀史参院議員、紙智子参院議員、塩川鉄也衆院議員、大内久美子県議、鈴木聡県議、江尻加那水戸市議(県議選予定候補)、山中たい子県議選予定候補、市町村議員など45名が参加しました。
主な要望と回答を紹介します。
福島原発の汚染水対策 東海第二原発は廃炉に
汚染水問題解決のため、日本と世界のもてる人的・物的資源をこの大事業に集中させることを要望しました。
東海第2原発の廃炉について経済産業省の担当者は「事業者が経営面などで判断する問題」と回答。大内県議は「施設が老朽化し、避難計画もままならない状況。国として廃炉を判断すべき」と迫りました。
また「子ども被災者支援法」の対象地域に少なくとも「特措法」指定の市町村を対象地域に指定することを要望しました。
1999年に臨界事故を起こしたJCOが新たに放射性廃棄物焼却施設建設を計画している問題で、認可を白紙に戻すよう要求。環境省の担当者は「計画は放射性物質の管理基準などを満たしている。認可の取り消しには当たらない」と述べました。
また350メートル以内の人を対象にした説明会について担当者は「350メートルに限定する法的根拠はないし、科学的、技術的観点から考えてもいかがなものか」と答えました。
福島からの避難者の要望、損害の全面賠償、霞ヶ浦の汚染対策、東海再処理施設、「エコフロンティアかさま」の安全対策等を要望しました。
防災無線・ラジオに交付税措置
江尻水戸市議は、防災無線(戸別受信機)、防災ラジオの設置に国の助成を要望。総務省の担当者は「防災行政無線の整備に係わる財政措置を実施している。防災無線、防災ラジオの設置やデジタル化を行う場合、100%起債ができ、事業費の70%が需要額として交付税措置される」と述べました。制度の活用が求められます。
筑西・下妻医療圏「中核病院」建設で前進
鈴木聡県議は「地元協議の進展を踏まえ、国の補助(医療再生臨時交付金)の期限の延長」を要望。医政局指導課の担当者は「期限延長は可能。県は手続きをはじめている。厚労省としても延長について12月16日に開かれる有識者会議に諮る予定」と答えました。
子ども医療費助成制度の拡大、国保税の引き下げ、肺炎予防接種へ国補助の拡大、医学部の増設等を求めました。国保7・5・2割軽減について、単身世帯も、5割軽減の適用を要望。担当者は、「単身者も26年4月から実施する」と述べました。
生活保護制度の改善を
親族の援助が保護受給の要件であるかのように書いた書類を送りつけ、申請をしめ出している問題。
厚生労働省は11月8日、「扶養義務が保護を受けるための要件であると誤認させるおそれのある表現となっていた」と認め、「可及的速やかに改善を図る」よう求める事務連絡を出しました。茨城県内の市町村に徹底を要望。厚労省社会・援護局の担当者は、「至急徹底する」と述べました。
生活保護費削減中止、生活保護担当者に警察官OB採用奨励の中止、冬季加算の増額、エアコンの電気代として夏季加算の実施を要望。担当者は、「来年以降の保護費について物価の変動も考慮して検討する」と述べました。
つくば市の生活保護の地域指定を3級地から2級地に引き上げを要望。担当者は「消費水準などで決めてきたが、昭和62年以降見直していない。今後検討したい」と述べました。
保育、障がい者、後期高齢者医療、年金
「安心こども基金(健やかこども基金)」の拡充と公立保育所への適用、放課後児童健全育成事業(学童保育)の充実について要望しました。
障害者施設職員の賃金改善、職員配置基準、処遇改善、アウトリーチモデル事業(訪問医療)の拡大、グループホームに対する一人1万円の家賃補助を、自立してアパートで暮らす人にも広げる事などを要望。
障害福祉部の担当者は「改善に努めたい。アウトリーチモデル事業については、一般制度化する」と述べました。
来年4月からの後期高齢者保険料の値上げ中止、滞納者へ短期保険証発行の中止を要望。収入による医療費負担の変化(3割、1割)は、本人申請がなくても実施することについて担当者は「検討したい」と述べました。
年金削減の中止、低年金の底上げ、最低保障の仕組みのスタート、受給資格を10年に短縮。介護では職員賃金引き上げ、特別養護老人ホームの増設等を要望しました。
特別支援学校の教室不足解消、30人学級実現
2013年度(5月1日現在)の県内特別支援学校の教室不足は155(プレハブ仮設も不足に加えた数)に達し、18校中8校では10教室以上も不足しています。
山中たい子前県議は「つくば支援学校では、ついたてやロッカーで教室を仕切っている」と教室不足の解消、特別支援学校の設置基準の制定を要望しました。文科省の担当者は、「教室不足には可能な限り予算化をはかる。設置基準については賛否両論がある」と述べました。
特別支援学校の教員増員、学校耐震化の促進、小・中・高校の30人以下学級の制度化、就学援助制度の周知徹底、高校授業料無償化への「所得制限」の導入の中止などを要望しました。
住宅リフォーム助成制度に国補助を
県内12市町村が、国の社会資本整備総合交付金を活用して住宅リフォーム助成制度を実施しています。来年度以降の拡充を要望。国土交通省の担当者は「来年以降、拡充をはかっていく」と述べました。
八ッ場ダム、霞ヶ浦導水事業の中止、老朽管の更新に補助を
2012年度の生活水の給水実績は102万6千m³/日最大で、既存の市町村水源と安定水利権の合計は113万9千m³/日最大であり、新たなダム開発の中止を要望しました。江尻水戸市議は、「老朽管更新事業に対する厚生労働省の補助は、『資本単価』が有収水量1トン当たり90円以上のため、補助を受けられる県内市町村は一つもない」と改善を求めました。
安心・安全なまちづくり
利根川取手中央タウン地先の堤防工事の早期完成、稲戸井調節池の掘削工事の中止、相野谷川・北浦川・西浦川の早期改修、県道「那須烏山御前山線」の下小瀬・那須地区の洪水対策、那珂川無堤防地区(水戸市上国井地区、水府橋下流地区)の早期解決、神栖市海岸保全等について要望しました。
JRのサービス改善
JRや私鉄を利用した精神障害者への補助制度、JR取手駅東口構内にエレベーター・エスカレーターの設置、JR常磐線の東京駅乗り入れ、快速の増便、JR都区内フリーきっぷの復活等を要望しました。
つくば市公務員宿舎の早急な廃止中止を
つくば市は、国策によって街が形成されました。山中前県議は「今後のまちづくりについて国、県と地元が協議すること」を要望。財務省の担当者は「まちづくりのあり方について市と協議する場として『中心市街地再生推進会議』の最終提言を十分尊重する。市と十分調整する」と答えました。
百里基地へのオスプレイ配備反対
航空自衛隊の観閲式・航空祭の中止、夜間・早朝訓練の中止、百里基地にオスプレイを配備しないことを要望しました。また大洗町で「ガルパン」ファン向け、自衛隊の実物戦車の展示が行われた事に関し、今後中止するよう要望。防衛省の担当者は「町から要望があり、自衛隊のPRのため展示した。今後の要望は来ていない」と述べました。
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安倍首相は謝罪と名誉回復、補償を 政令201号事件で土井さんら訴え
茨城県取手市の故・土井尚義さんは、65年前の1948年8月ストライキをおこない、「政令201号違反」で旧国鉄札幌鉄道局から懲戒免職処分を受けました。
6年前「どんなに時間が経過しても過ちはただされなくてはならない」と日本弁護士会連合会に人権救済を申し立てました。尚義さん亡き後は妻の道子さんが運動を続けてきました。そして日弁連は、今年8月28日、内閣総理大臣宛に「同処分は、……政令201号を根拠になされたものであり、…人権を侵害した違法な処分であることが認められる。当時我が国が連合国最高司令官総司令部(GHQ)の占領政策の下にあり、同司令部の指令により同政令が公布されたとしても許されるものではない」「…国に対し、可及的速やかに、被った被害の回復のため、謝罪と名誉回復や補償を含めた適切な措置を講ずるよう勧告する」と通知しました。
11月25日、土井さんは、大門参院議員と一緒に内閣府を訪問。安倍晋三総理大臣に謝罪と名誉回復や補償を求めました。
大門議員は「日弁連の勧告であり、しっかり受け止め対応してほしい」と要望。対応した佐野美博大臣官房総務課調査役は「日弁連の代表が来られ、勧告書を受け取り、安倍首相に渡しました。今回のことも必ず安倍首相に伝えます」と答えました。
提出要望書(全文・PDF)
茨城民報2013年12月号外(PDF)ܸ