大型公共事業を優先 茨城県が予算案発表

茨城県(橋本昌知事)は2月22日、第1回定例県議会(27日開会予定)に提出する2013年度当初予算案と条例案を発表しました。
一般会計の予算規模は対前年度比2.6%減の約1兆785億円。県は「震災復旧事業がある程度すすみ、関連予算が減ったため」と説明しています。
歳入の県税収入は対前年度比2.8%増の3,150億円を計上。法人2税については3.4%増を見込んでいます。
地方交付税のうち普通交付税は、職員給与が7月から国家公務員並みに引き下げられることから、9.1%減額されました。
県債は1,482億円を計上。県債残高は2013年度末には2兆828億円程度に膨らみ、一般会計当初予算額の約2倍の借金を抱えることになります。
歳出の義務的経費をみると、職員減や退職手当の引き下げなどで人件費を前年度に比べ、2.2%削減。
公債費は、財源不足を補うために増発してきた特例的県債の償還費の大幅増や住宅団地を乱造して破たんした住宅供給公社を処理する第3セクター等改革推進債の償還などで2.1%増え、1,454億円を計上しました。
投資的経費の公共事業費については、国の「経済対策」を受け入れ、12年度最終補正と13年度当初予算案とを一体的に編成。
計1,401億円(特別会計、企業会計込み)を盛り込み、対前年度比で36.3%増と激増しました。
圏央道整備やダム建設(霞ケ浦導水事業、八ツ場ダムなど)、常陸那珂港をはじめとした大型公共事業、茨城空港関連事業には優先的かつ重点的に巨額の予算を配分しました。
一方、県民運動や日本共産党の要求を反映したものでは、東日本大震災で被災した住宅の修復に金融機関から資金融資を受けた人への利子補給事業が継続されました。
県立高校の耐震強化や保育所整備などの事業は拡充され、児童相談所の体制も強化されます。
しかし、全体として県民生活に直結する分野では独自施策に乏しい予算です。
条例では、職員の退職手当引き下げ案、工業用水値下げ案など14件を提出します。
大内県議は3月12日から14日の防災環境商工委員会、18、19日の予算特別委員会で質疑に立ちます。
(「しんぶん赤旗」首都圏版 2013年2月23日付より転載)

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