百里基地強化反対さらに 戦争史など視察で学ぶ 茨城県平和委員会

小美玉市にある航空自衛隊百里基地と軍民共用の茨城空港への新たな平行誘導路(滑走路)設置計画について、百里基地の機能強化にもつながる事態に対して反対運動を進めようと、茨城県平和委員会は9月27日、百里基地周辺の状況や戦争の歴史を学ぶ視察を行いました。

学芸員の説明を熱心に聞く参加者

学芸員(右から3人目)の説明を熱心に聞く参加者=9月27日、茨城県小美玉市

午前は、小美玉市小川資料館の企画展示「百里原海軍航空隊」を見学。
太平洋戦争末期、米軍は日本本土の主要都市や軍事施設、工場などを攻撃目標とし、1945年2月から8月にかけて、百里原海軍航空隊はたびたび攻撃を受けました。
銃爆撃の攻撃は31回に上り、航空隊の施設や飛行機が炎上し破壊されたこと、百里原に向けられた爆弾やロケット弾の一部は周辺地域にも着弾したことなどを学びました。

また、百里原海軍航空隊には14歳以上が配属され、高知や名古屋など遠方からきていた若者たちの当時の写真や地域との関わりの記録が展示され、最後の特攻隊と言われた、8月15日の終戦を知らせる玉音放送の直前に飛んだ“彗星(艦上爆撃機)8機、16人”も百里原海軍航空隊からの出撃でした。

参加者は自分の子や孫を重ね合わせ、日本共産党の佃敬子茨城町議は、「亡き父や母から聞いていた状況がよく分かった。訓練を受けて戦地に行った若者たちがたくさん命を落としたことを、もっと知らせていかなければと痛切に感じた」と語りました。

午後は、百里基地反対連絡協議会(百里連協)の梅沢優さん(基地周辺在住)の案内で、誘導路設置予定地など空港や基地の機能強化の現場を回りました。県平和委員会の篠原睦さんは、「国や県は、公共事業の名をかりて税金を使い、地域や自然、平和を壊している」と語りました。

(「しんぶん赤旗」2025年9月30日付より転載)

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