東海第2原発 控訴審 原告「避難計画に不備」 東京高裁

日本原子力発電東海第2原発(茨城県東海村)の運転差し止めを住民が求めている訴訟の控訴審第5回口頭弁論が12月25日、東京高裁(谷口豊裁判長)でありました。原告側は、一審の水戸地裁判決が避難計画の不備を理由に運転差し止めを命じたことをふまえ、県や県内の自治体の避難計画には不備・欠落があることなどを訴えました。

大河陽子弁護士は、東海村と日立市の避難計画について、▽原子力事業所の単独災害を想定したものであり、地震災害などとの複合災害を想定していない▽避難行動に支援が必要な弱者が取り残される▽大量の車両の移動を考慮していない▽避難所を住民に知らせていない─ことを、地図や図表を示して説明しました。

大河氏は、例として日立市の避難経路の問題点を指摘しました。高速道路は震度5で通行止めになり、国道は土石流警戒区域や急傾斜で土砂崩れの恐れのある場所が多数あることを紹介。地震で通行できなくなることが想定されるのに、そのことが考慮されていないと述べました。

鈴木裕也弁護士は、避難計画の不備が差し止め請求の要件とされる「生命・身体への具体的危険」にあたることを、法的視点から説明。1999年の東海村JCO臨界事故などの教訓から、原子力災害発生を想定した原子力災害対策特別措置法が制定された意義を強調しました。

日本共産党の高橋誠一郎県政策委員長(参院茨城選挙区予定候補)も傍聴しました。

次回の口頭弁論は来年4月25日午後2時から。

(「しんぶん赤旗」2024年12月27日付より転載)

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