新市民会館問題 住民の福祉後回しか 原告が批判 水戸地裁
水戸市が進める新市民会館の整備が、地方自治法などで定める「最少経費原則」に違反するとして、住民らが税金支出の差し止めと高橋靖市長への損害賠償を求めている裁判の口頭弁論が12月16日、水戸地裁(廣澤諭裁判長)で開かれました。
原告代理人の谷萩陽一弁護士は、会館の整備をめぐる市長の判断について、「考慮すべき事情を考慮せず、社会通念に照らして妥当性を欠く」と主張。
▽3000人規模の大規模コンベンションを誘致できる可能性が低い▽駐車場が少なく利用が見込めない─などの問題点を指摘しました。
会館の整備に多額の税金を投入する一方で、市立学校が毎年求めている老朽化対策の要望が後回しになっているとし、「市の財政を圧迫し、『住民福祉の増進』を果たすべき自治体の施策を困難にしている」と述べました。
弁論後の集会で、田中重博原告団代表(茨城大学名誉教授)は、「市長が恣意的・独断的に進めている事業だ。裁判で裁量権の逸脱が具体的に説明された。さらにたたかいを進めたい」と話しました。
(「しんぶん赤旗」2021年12月18日付より転載)