原発の広域避難 命守る計画困難 茨城でシンポジウム
茨城県ひたちなか市で7月10日、日本原子力発電東海第2原発(東海村)の広域避難計画をめぐるシンポジウム「実効性ある避難計画はできない」(東海第二原発運転差止訴訟団・原発いらない茨城アクション実行委員会主催)が開かれました。
パネリストで登壇した日本共産党の江尻加那県議は、県バス協会が放射性物質の放出でバスは出せないとしていることに触れ、「移動手段の確保も困難で、県民の命を守る計画を作れないことははっきりしてきた」と強調。
阿部功志東海村議(無所属)は、「なぜ住民が避難の心配をしなければならないのか」と話した上で、避難所を運営する自治体職員の数も十分でないことから、対応は「非現実的」、「実効性のある計画は策定できないと表明すべきだ」と述べました。
東海第二原発運転差止訴訟団原告の川澄敏雄氏は、避難計画が議会での審議も必要なく、策定作業に住民の意見が反映されないなどの問題点に触れ、「住民が役場に行って直接質問をぶつけ、問題提起すべきだ」と話しました。
環境経済研究所の上岡直見氏は、原電が来年9月にも原子炉を起動して「使用前検査」を予定していることについて、「試運転は不確定要素も大きく、危ない」と指摘しました。
(「しんぶん赤旗」2021年7月14日付より転載)