“敵扱い”して低い処遇 旧動燃差別撤廃訴訟で訴え 水戸地裁
動力炉・核燃料開発事業団(旧動燃)の労働者6人が、組織統合で発足した日本原子力研究開発機構を相手取り、不当差別の撤廃を求めている裁判で1月17日、16回目の口頭弁論が水戸地裁(前田英子裁判長)で開かれました。
この裁判は、旧動燃が、職場の安全などを求めていた労働者に対し、昇格・賃金差別などの人権侵害を行っていたことの是正を求めているもの。公安警察からの情報も使い、思想調査で「敵性判定」し、「非良識派」として不当差別を行っていました。
口頭弁論で瀬川宏貴弁護士は、不当差別で原告が著しい薄給であったことを指摘し、「低い処遇と『敵性判定』が結びついているのは明らかだ」としました。
口頭弁論後の集会で報告に立った平井哲史弁護士は、西村成生氏(動燃総務部次長、1996年1月に怪死)が残した、不当差別の実態が記されたメモ(西村資料)に言及。被告が「動燃が作成したものではない」と否認していることに対し、「(否認しているが)動燃の便せんに書かれ、内容は動燃職員でないと分からないことだ」と批判しました。
次回の口頭弁論は3月7日の予定です。
(「しんぶん赤旗」2019年1月20日付より転載)