目的外 ポリ容器使用 被ばく事故 原子力機構「不適切」

日本原子力研究開発機構の大洗研究開発センター(茨城県大洗町)で放射性物質が入った容器の点検中、作業員5人が被ばくした事故で、放射性物質の保管に使われていたポリ容器は、作業中に出る紙などの放射能汚染ごみを一時保管する容器を流用したものだったことが分かりました。機構が7月21日、原子力規制委員会に提出した事故の中間報告書で明らかにしました。機構はポリ容器の放射性分解で発生したガスが事故の一因とみており、「適切ではなかった」としています。
原子力機構によると、放射性物質はボルトで封をされた金属製容器に保管されていましたが、内部は放射性物質を直接納めたポリ容器(高さ23センチ、直径9・4センチ)を2重のビニール袋が包む構造になっていました。
機構は放射性物質に含まれていた樹脂や、ポリ容器の材質が放射性で分解されてガスが発生し、ビニール袋に充満して破裂した可能性が高いと推定。不適切なポリ容器で長期保管したことが事故につながったとみています。
原子力機構は1991年に放射性物質の保管作業を行った職員らに聞き取り調査を実施。ポリ容器は本来、実験や作業で生じる紙やガラスなどの汚染された廃棄物を一時的に保管するものだったことが分かりました。機構は9月末ごろまでに、詳しい原因や再発防止策などをまとめた最終報告書を規制委に提出する方針。
(「しんぶん赤旗」2017年7月23日付より転載)

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