茨城・常総市大水害から半年 吉野サポートセンター 生活再建へ物資配布会 小学生に絵本も
昨年9月の関東・東北豪雨災害から3月10日で半年を迎えました。
鬼怒川の決壊で大水害に見舞われた茨城県常総市では、3月1日までに旅館・ホテルに避難していた被災者が全員退去し、すべての避難所が閉鎖されました。住宅の再建・補修なども進み始めています。
生活の再建はこれから。
「一日も早く、元のくらしにもどれるように」とボランティアの支援が続いています。
水害から半年を目前にした6日の日曜日、市役所本庁舎に、被災住民約450人が詰め掛けました。
会場のあちこちで「久しぶり、元気にしてた?」と再会を喜び合う姿が見られました。地元有志とボランティア団体、民主団体、日本共産党が共同して、水害直後から被災者支援を続けてきた吉野サポートセンターの9回目の物資配布会です。
被災地は、復旧できず水害当時のままの家も残されています。
床や壁の張り替えが済んでも、水に浸かったり破損したりした家具などが取り除かれた1階が“がらんどう”の家も少なくありません。
家財や春物衣類
サポートセンターでは、今回の物資配布会にむけて、家財一式や春物の衣類、家電、新鮮野菜の寄付を、インターネットなどで広く呼びかけました。
ほかのボランティア団体からの物資提供も多くあり、市からも2リットルの飲料水入りのペットボトル900本の提供がありました。
数百冊の絵本を集め、寄付したのはつくば市に住む英語教師の女性(39)です。
「常総市の子どもたちに絵本を贈ろう」とインターネットで呼びかけたところ、各地の個人や団体から約1,500冊が集まりました。
復旧の力になる
配布会当日、絵本コーナーに集まった子どもたちは小脇に何冊もかかえながら、熱心にページをめくっていました。
小学生と幼稚園児を連れた母親は、「絵本も全部水に浸かってしまいました。1冊も残っていなかったので、きれいな絵本をたくさん持って帰れてよかった」と喜んでいました。
絵本を集めた女性は、「子どもの笑顔は最高。水害に負けず元気になってもらいたい。これからも支援を続けます」と話します。
サポートセンターの稲葉修敏事務局長は、「半年経過しましたが、先日も床下の泥出しをしてほしいという依頼がありました。ビニールハウス2棟の取り壊しを手伝ってほしいという農家さんにも声をかけられました。生活再建の進み具合によって、必要とされる支援や物資は異なるため、これからも丁寧に要望を聞き取ることを大事にします。行政にも要求を伝え復旧の力になりたい」と話しています。
(「しんぶん赤旗」 首都圏版 2016年3月19日付より転載)