広げよう 戦争法廃止2000万署名 「知らない人にも」が方針 茨城・阿見

「知っている人からも、知らない人からも、署名してもらおう」が活動方針です。
戦前は予科練(海軍飛行予科練習部)、現在は自衛隊の施設を有する茨城県阿見町では2015年11月、「安保関連法(戦争法)の廃止を求める2000万署名」阿見町実行委員会が結成されました。
町内の民主団体や女性団体、農民組合、個人で構成。取り組みが始まっています。

(唐沢俊治)

同実行委員会の構成団体の一つ、阿見町九条の会が1月10日、成人式会場前で、日本共産党の永井義一町議も加わり、署名を呼びかけました。

新成人も納得し

「おとなとしての大事な人生が始まったけど、戦争に巻き込まれるかもしれないよ。2000万人の1人になってね」と、署名を集める女性(76)。
新成人の男性3人は、「そうだよな」と口をそろえ署名しました。
ひ孫の晴れ姿を見に来たという高齢の女性は、「戦争で夫を奪われ、ひどい目に遭った。あの法律はとんでもないよ」。
署名を集める女性は、「じっくり話をすれば、みんな署名をしてくれます。誰もが同じ気持ちだと分かります」と述べました。
幅広い人脈を生かして署名を呼びかけているのは、前町長で九条の会代表の川田弘二さん(80)。
「『あきらめない』『忘れない』を合言葉に多くの人が結集して、安倍政権を交代させたい」と語りました。
人口4万8000人の阿見町は、署名の目標を人口比率にすると8,000人。
昨年取り組んだ戦争法案の廃案を求める署名数は、遠く及びませんでした。
町内には自衛隊関係者が多く、「趣旨は分かるが、立場上できない」と断られることも。
実行委の会議では、署名数だけでなく、対話の数などを含めた「行動数」8,000を目指そうと話し合いました。
「知らない人に1人では行きにくい」というメンバーは2人1組の担当地域を当てました。
月2、3回定例行動を決定。署名用紙と返信用封筒をセットにした取り組みグッズを作り、留守宅にも備えました。
「行動数」は現在300超と、取り組みは緒に就いたばかりです。

運動続ける原点

九条の会事務局長の中山煕之さん(72)は中学生の時、「なんでばかな戦争したの」と母に聞きました。
「母が『反対なんてできなかった』と、情けない顔をしたのが忘れられません。
僕が子や孫から同じことを聞かれたら、あんな顔はしたくない」。運動を続ける原点です。
安倍首相は今年夏の参院選に向け、“憲法改正”を掲げています。
署名行動に今年新たに加わった女性(70)は言います。
「戦争法に賛成した議員を再選させてはいけない。改憲は絶対阻止しなくてはいけない」。
(「しんぶん赤旗」 2016年1月17日付より転載)

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