東海第2原発 「再稼働前提の工事だ」 ベント・防潮堤着工 党茨城県委 原電に中止・廃炉要請

日本原子力発電(原電)が茨城県東海村の東海第2原発で、新基準で再稼働するために義務化されたフィルター付きベント(排気装置)と防潮堤の建設工事に着手した問題で、日本共産党茨城県委員会は6月25日、「再稼働が前提の工事だ」と原電に抗議し、工事中止と廃炉を要請しました。

原電担当者(右列)に抗議し、工事中止と原発の廃炉を要請する(左から)大名、大内、田谷、川崎、江尻の各氏=6月25日、茨城県東海村

原電担当者(右列)に抗議し、工事中止と原発の廃炉を要請する大名、大内、田谷、川崎、江尻の各氏(左から)=6月25日、茨城県東海村


要請には田谷武夫県委員長、大内久美子県議、大名美恵子東海村議、川崎篤子東海村議、江尻加那水戸市議らが参加しました。
このなかで原電側は、「工事は自主的なもので今年度の計画に入っていた。新設工事に該当しない」などと説明。
原子炉等規制法改定に伴う新規制基準の決定で、自治体との安全協定上の手続きが発生するのが7月8日以降となることから、参加者らは「(再稼働に必要な工事の)県や村の事前了解を免れるためだったのではないか」と“駆け込み着工”を批判しました。
一行はまた、「再稼働の是非は私どもだけでは決められない」と繰り返す原電側に、「フィルター付きベントは原発が再稼働しなければ必要のない工事。再稼働を視野に入れている」ときびしく指摘しました。
これまでに約30万人から橋本昌知事に東海第2原発の廃炉を求める署名が提出されていることについて、原電側は「そのうち県民は何人ですか」などと述べ、「原発事故の被害は県境に関係ない」という認識がないことも浮き彫りになりました。
(「しんぶん赤旗」首都圏版 2013年6月26日付より転載)

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