市は説明責任果たせ 図書館移設巡りシンポジウム 茨城・取手
「取手駅前開発を考える会」は5月18日、茨城県取手市で、再開発事業で建設予定の図書館などについて考えるシンポジウムを開きました。
地権者組合(8人)は再開発で、200戸の25階建てタワーマンションと5階建て非住宅棟、計2棟の建設を計画しています。
市は突然、3月15日に再開発ビルの一部を購入し、取手図書館を移設するなどの方針を広報で発表。
多くの市民が驚き、「いつ、どのように決まったのか」など疑問が広がり、シンポジウム開催に至りました。
シンポジウムで遠藤哲人氏(区画整理・再開発対策連絡会議事務局長)は、図書館予定地近くのパチンコ店にふれ、「教育文化施設の在り方を考えなければならない」と指摘。
6月から都市計画決定に入ることについて、「再開発ありきの図書館建設ではないか。市負担が70~80億円かかる見込みの大事業。市民との話し合いは十分に行われたか。公共の福祉の観点、都市計画決定の重大さなど、市の説明責任が問われている」と力説しました。
小池信彦氏(日本図書館協会理事)は、「図書館は地域の情報センターであり、育ちの場所」と社会教育や図書館の役割を語りました。
加増充子共産党市議は、「西口区画整理(6.5ヘクタール)事業開始から32年、8回の計画見直しで、事業費は当初の7割増の219億円に拡大。税金一極集中で福祉やくらしが後回しになってきた」と市政のゆがみを指摘。
竹内有子氏(戸頭から市政を考える会代表)は、「駅前だけでなく市全体のまちづくりを、多くの人と話し合って進めたい」と訴えました。
(「しんぶん赤旗」2024年5月28日付より転載)