産廃候補地で大崩落 建設撤回求めるシンポジウム開かれる 茨城
茨城県関与の産廃処分場をめぐり、9月の台風13号の影響で大崩落が発生した候補地である太平田鉱山跡地や、基本計画の問題点などを話し合うシンポジウムが11月11日、日立市民会館で開かれました。
大崩落発生について、茨城大学名誉教授の鈴木鐸士氏は、「9月の台風13号により、長さ80メートル、幅30メートル、深さ7メートルの大崩落が発生した」と写真や動画で説明。
また、水防法改定に伴う洪水シミュレーションを行っており、以前から洪水の危険を指摘していたことを強調しました。
ほかのパネリストからは、処分場候補地の太平田鉱山跡地は防災ダムの役割をはたしていることや、候補地選定で市民の意見が反映されず、「日立市は市環境基本条例に違反している」と指摘も。
「台風13号の影響でどれくらいの雨が沢に溜まったのか」との質問に、鈴木氏は「台風直後は、普段より水面が7~8メートル上昇したとみられ、30万立方メートルは溜まったと見積もられる」と回答しました。
県の計画では、防災調整池は3万5千立方メートルしかなく、洪水が発生する危険性が改めて浮き彫りになりました。数藤まち子シンポジウム実行委員長は、「処分場建設の断固撤回を強く求め続ける」と述べました。
(「しんぶん赤旗」2023年11月17日付より転載)