茨城県議選 共産党が伸びてこそ茨城県民の暮らし守れる 上野高志県委員長語る
各党が来年の統一地方選の前哨戦に位置付ける茨城県議選(12月2日告示、11日投開票)が迫っています。
大型開発優先の県政をただすとともに、「物価高騰やコロナから暮らしと営業を守れ」と国政への怒りが渦巻く下で、岸田文雄政権に審判を下す選挙になります。
3つの選挙区はいずれも激戦で予断を許しません。日本共産党県議団が果たしてきた役割と争点、県議会の現状について上野高志県委員長が語りました。
(茨城県・高橋誠一郎)
税金の使い方 見直せば可能
県議選で、県党は水戸市・城里町区(定数6)で江尻かな県議、つくば市区(定数5)で山中たい子県議の2議席を絶対に確保するとともに、前回462票差で失った取手市区(定数2)で、佐野太一氏が議席の奪還に挑みます。
今回の県議選で、日本共産党は「子育て3つのゼロ」(▽学校給食費ゼロ▽18歳までの国保税・医療費ゼロ▽0~2歳までの保育料ゼロ)と、「お年寄りに2つの安心」(▽補聴器購入の補助▽地域交通への県補助)を訴えています。
県民要望の上位は、地域医療や福祉の充実、子育て環境の整備、高齢者サービスの推進です。
これらは、1兆2800億円にのぼる県予算のわずか1%の財源でできます。ほかにも722億円にのぼる県基金のほか、無駄な大型開発を見直せば県民の暮らしを支える施策は十分可能で、財政力が全国8位の茨城県にできないはずがありません。
共産党県議団 3つの値打ち
県議選をたたかう上で強調したいのが、党県議団が果たしてきた3つの値打ちです。
第1は、切実な要求を出発点に、県民運動と連携して県政を動かしてきたことです。
高校卒業までの医療費助成制度が県内の全ての市町村で実現し、“茨城型”の35人以下学級が定着しています。
子ども医療費は窓口負担や所得制限の撤廃を求める声が上がっているほか、学校給食費の無償化や少人数学級のさらなる前進が必要です。
特につくば市は、つくばエクスプレスの沿線開発で人口が急増し、県立高校の新設を求める署名運動が急速に広がりました。
1か月で7千人を超える署名が11月県議会に届けられるなど、切実です。
そもそも、沿線開発は8万人を呼び込む県の大規模事業として進められてきました。高校新設へ県の責任を果たさせたい。県民と力を合わせて実現したいと思います。
第2は、国民の苦難軽減を立党の精神にする党として、困っている人に寄り添う姿勢を貫いてきたことです。
コロナ対策や物価高騰で中小業者の営業が追い込まれる中、これを支えることが重要です。
共産党として、16回にわたる県への要請で飲食店以外の関連事業者にも一時金(計約105億円)が支給されました。
教育の分野では、内原特別支援学校に高等部が設置。学校に通えない子どもたちの“居場所”になっているフリースクールの運営費補助が初めて盛り込まれたほか、児童相談所の増設、子どもの国保税軽減などが実現しました。
第3は、原発ゼロでブレないことです。
首都圏唯一の東海第2原発(東海村)は運転開始から40年超の老朽原発で現在停止中。事業者の日本原子力発電が再稼働工事を進めており、今回改選される議員が、再稼働への判断を求められる可能性が濃厚です。
党県議団は論戦で、1人2m²に押し込める県の避難計画では県民の人格権は守れないと追及。知事は共産党の指摘に計画の困難さを認め、見直しに追い込まれました。
しかし、30キロ圏内94万人の避難計画など不可能です。共産党は、県がすべきは廃炉の決断だと繰り返し求めてきました。
同時に、危険な原発ではなく、再生可能エネルギーへの転換こそ必要だと訴え続け、県内では再生可能エネルギーや蓄電池設備の導入が進んでいます。
この流れをさらに推し進めたい。原発マネーと一切無縁の共産党だからこそ、再稼働ストップで絶対にぶれません。
各党の態度が問われている
県議会は自民・公明が議席の約8割を占め、国民民主系の「県民フォーラム」、立憲民主も含めて知事提出の大型開発優先予算にすべて賛成しています。
保健所削減の議案にも共産党のみが反対し、“オール与党”議会になっているのが現状です。
統一協会をめぐっては、問題の徹底究明と被害者救済を求める意見書に共産党以外の全会派が反対。
岸田文雄政権による原発推進方針の撤回を求める意見書に賛成したのも共産党のみでした。
国の悪政にきっぱりと対峙し、県政では住民の要求実現の立場をしっかりと貫く─。この共産党が伸びてこそ、県民の暮らしを守り、願いを届けることができます。
「大型開発優先の税金の使い方をただし、県民の暮らし・福祉・教育優先の県政を」と大いに訴え、全力でたたかい抜きます。
(「しんぶん赤旗」2022年11月15日付より転載)