新型原子炉 安全リスク置き去り 江尻加那県議が指摘 茨城県議会
日本共産党の江尻加那茨城県議は、3月17日の県議会予算特別委員会で、新型原子炉の「高温工学試験研究炉」(HTTR=日本原子力研究開発機構大洗研究所、茨城県大洗町)について、放射性廃棄物や安全性の観点から問題点を指摘しました。
HTTRは放射性物質であるウランを燃料とする高温ガス炉。政府はカーボンニュートラルの名の下に新型原子炉の推進を掲げています。
HTTRも、発電のほか、将来的な水素製造を視野に本格稼働をめざしていますが、トラブルなどで今月予定されていた安全性実証試験を延期しました。
江尻氏は、「ガス炉と言っても燃料は放射性物質だ」と強調。
「放射性廃棄物の処分方法も決まっておらず、安全性のリスクも置き去りではエネルギーとしては続かない」と指摘しました。
大井川和彦知事は、「脱炭素に向けて国と歩調を合わせる」と答弁。安全上の考慮をふまえ、本格稼働に向けた検討を進める考えを示しました。
大洗町には放射性物質を利用した試験研究炉や高速実験炉などが立地。
一部が5キロ圏に含まれる大洗町、水戸市、鉾田市、茨城町の2市2町が避難計画を策定しています。
(「しんぶん赤旗」2022年3月25日付より転載。動画はこちらから)