東海第2原発 周辺6首長ら視察
日本原子力発電東海第2原発(茨城県東海村)をめぐり、再稼働への「事前了解権」を持つ、東海村や水戸市など周辺6市村の首長でつくる「原子力所在地域首長懇談会」(座長・山田修東海村長)の会合が4月12日、東海村内で開かれ、首長らが東海第2原発の「安全対策工事」を視察しました。
首長らは、高圧電源装置の配置場所として、軽油タンクや貯水設備を設けるために地下30メートルまで掘削した現場や、防潮堤整備での鋼管杭の打ち込み、原子炉建屋内の防火対策などを視察しました。
記者団に対し山田村長は、先月18日に水戸地裁が東海第2原発の運転差し止めを言い渡したことに関連し、会合では広域避難計画の策定をめぐる議論がなされたと説明。
「安全対策と避難計画は不可分だ」と述べ、事故の進展状況に応じた避難のシナリオについて、原電側に示すよう求めたいとしました。
原電の村部良和東海事業本部長は、水戸地裁判決について「主張の一部が理解されなかったことを遺憾に思う。控訴審で判決を覆すべく立証に全力を尽くしたい」と述べました。
原電は、現時点で再稼働の意思表示をしないまま、2022年12月完了をめどに工事を推進。
再稼働に向けた「使用前検査」も同時に進めており、原子炉を実際に起動する「五号検査」について、2022年9月にも実施する計画を原子力規制委員会に示しています。
(「しんぶん赤旗」2021年4月14日付より転載)