筑波大学の留学生数水増し 学長を再任命するな 文科相あてに教員が要望書
筑波大学が留学生数を大幅に水増しして指定国立大学法人の申請を文部科学省にしていた問題をめぐり、学内の教員でつくる「筑波大学の学長選考を考える会」は3月23日、萩生田光一文科相あてに永田恭介学長を再任命しないよう求める要望書を提出しました。
筑波大学はこの間、世界大学ランキングを運営するタイムズ・ハイヤー・エデュケーション社(THE)に、本来留学生に含めない短期滞在者を含めて留学生数を申告していたことが発覚。指定国立大学の申請もこの数字に基づいて行っていました。
「考える会」共同代表の竹谷悦子教授は、提出に先立つ記者会見で、萩生田文科相が2月の会見で「国際基準」に基づいた数え方で問題ないとの認識を示しましたが、THE社が3月18日に発表した調査結果は、筑波大の留学生水増しを明確に認定したと指摘。
虚偽の数字を申請に用いていたことが判明したことで、永田氏を次期学長予定者とした筑波大の学長選考会議の決定は、「客観的な妥当性と合理性を失った」と強調しました。同じく共同代表の吉原ゆかり准教授は、「水増しが現場の責任にされることを恐れている」と語りました。
筑波大の次期学長をめぐっては、昨年の教職員の「意見聴取」で永田氏が対立候補に大差で敗れたものの、その後の学長選考会議で次期学長予定者に決定されました。
(「しんぶん赤旗」2021年3月24日付より転載)