東海第2原発差し止め訴訟 原電の地震モデル不十分
日本原子力発電が再稼働をめざす東海第2原発(茨城県東海村)の運転差し止めを求める裁判が12月12日、水戸地裁(前田英子裁判長)で開かれ、この裁判では初めての証人尋問が行われました。
原告側証人の地震工学者で港湾空港技術研究所の野津厚氏は、強い揺れをともなう地震について「考えてもいなかった場所で、考えてもいなかった規模の地震が、考えてもいなかった起こり方で起こる」と主張。
地震学が「原発の安全性を保証できるほどの成熟度には達していない」としたうえで、日本原電などが東海第2原発付近で想定する地震の発生モデルを「不十分だ」と指摘しました。
女川原発を襲った東北地方太平洋沖地震と同程度の地震が茨城県沖で発生する可能性を述べたうえで、「(日本原電が東海第2原発で)想定する地震動をはるかに超える2,000ガル近くの地震が発生する」と危険性を強調しました。
野津氏が証人となるのは全国の原発訴訟では初めて。
次回は今月19日午前10時から日本原電側が証人尋問に立ちます。原告は裁判への傍聴を呼びかけています。
(「しんぶん赤旗」2019年12月13日付より転載)