空自戦闘機が出火 茨城・百里基地 機体から黒煙
10月18日午前11時50分ごろ、航空自衛隊百里基地(茨城県小美玉市)の滑走路手前で、同基地所属のF4戦闘機から出火しました。操縦士2人は機外へ脱出し、けがはないといいます。
空自によると、戦闘機が飛行訓練のため滑走路に進入しようとしたところ、機体左側の主脚が破損し、出火しました。機体からは黒煙が上がり、空自の消防車が約20分後に消し止めました。
百里基地と飛行場を共用している茨城空港によると、同空港を発着する民間機の運航に影響はないといいます。
空自では、10月17日に浜松市沖で救難ヘリコプターが墜落する事故があったばかり。
観閲式へ連日激しい訓練 事故多発、募る不安
茨城県小美玉市の航空自衛隊百里基地でF4戦闘機から出火した事故。同基地では10月29日に予定されている観閲式に向け、騒音をまき散らしながらの激しい訓練が連日おこなわれていました。
県平和委員会や百里基地反対同盟などの県内の平和・民主団体が観閲式について同基地側に、▽オスプレイを含む米軍機の参加はあるのか▽他の基地から兵器が持ち込まれているのか▽事故対策をどう考えているのか-などとただす質問書を提出していた矢先の事故でした。
埼玉県川越市から撮影に訪れていた航空ファンの男性は百里平和公園の展望台で事故を目撃。「目の前の誘導路を通過したときには何でもなかった。その後ふと、目を向けたら黒い煙が上がり、機体が左に傾いていた」と証言。別の男性カメラマンは「きのう(17日)は浜松沖に救難ヘリが墜落した。その前(11日)には沖縄で米軍の大型ヘリが炎上した事故があった。事故が立て続けに起きて心配だ」と語りました。
同基地内に滑走路が1本新設され、2010年3月に茨城空港(基地との軍民「共用」化空港)が開港しました。水戸市内の男性は「搭乗の際、戦闘機の発着訓練を目の当たりにして危険だと感じていたが、事故が起きて、なおさらその感を強くしている」と指摘します。
同基地の近くに住む梅沢田鶴子さんは「これまでも事故やトラブルが続発している。私にとってはこの基地と戦闘機に関する事故は北朝鮮のミサイルよりこわい」と訴えました。(茨城県・栗田定一)
(「しんぶん赤旗」首都圏版2017年10月19日付より転載)