東海第2原発 近隣市の権限拡大を 新協定案に市民らコメント
日本原電が東海第2原発を抱える茨城県東海村と近接5市の首長でつくる「原子力所在地域首長懇談会」に回答した新協定案について、同懇談会を構成する6市村幹部と懇談してきた58の広範な市民団体・住民グループが5月12日までに、コメントを発表しました。
同首長懇談会は事前了解について、東海村と同等の発言権を近接5市も持てる協定に見直すよう要求。これに対して原電は▽自治体側は原電に意見を述べることができる▽再稼働や運転延長に当たっては安全協定とは別枠の協定を結びたい-などの案を提示。近接5市への事前了解をめぐる権限拡大については明言を避けています。この問題について市民団体や住民グループの代表が関係市村の首長や副市長、担当部長らと懇談。①原電が提示した「新協定」案を拒否すること②同首長懇談会が当初から主張している事前了解権の「枠組み拡大」を実現すること-の2点を要請してきました。
市民団体・住民グループが発表したコメントは「事前了解制が明文化されておらず、引き続き『安全協定の枠組み拡大』を求めていく」と強調。協定の見直しを求めた請願・陳情が各議会で不採択にされたことに遺憾の意を表明するとともに、「市民の願いを訴え続けていく」と述べています。
「原子力所在地域首長懇談会」は東海村と日立、ひたちなか、那珂、常陸太田、水戸の近接5市の首長で構成されています。
(「しんぶん赤旗」首都圏版2017年5月13日付より転載)