戦時ポスター展示 「画家たちの戦争」 9月22日から 茨城・取手

1945年の太平洋戦争終結まで、戦争遂行と戦意高揚のために国が制作した戦時ポスターを展示する「画家たちの戦争」が9月22日~25日、茨城県取手市の「とりでアートギャラリーきらり」で開かれます。
企画したのは取手市民らでつくる実行委員会。
委員長の神原禮二さん(73)は、「ポスターが描かれた時代に自分が生きていたらどうしていたか考えてみてほしい」と来場を呼びかけています。

戦時ポスターは、満州事変(1931年)から1945年の終戦までの間に、当時の陸軍省や大政翼賛会などが制作し、全国の市町村に掲示を命じました。
1,500種ほどが制作されたといわれますが、敗戦直後の焼却命令により大半が処分され、現存する作品は貴重だといいます。
今回、展示されるのは北海道北見市が所蔵する24点。
野付牛町(現・北見市)職員だった版画家の香川軍男さんの遺品から見つかり、遺族が寄贈したもの。
北見市に伯父が住んでいた神原さんがポスターのことを知り、展覧会の開催にこぎつけました。
ポスターは、横山大観や藤田嗣治ら有名画家の作品を基にしたものから、当時の漫画家やデザイナー、作者不明のものまで。
「国民精神総動員」「国債を買って戦線へ弾丸を送りませう」などと書かれ、国策として国民が総動員されていった様子が見て取れます。
自身も幼いころに体験した戦時の記憶が鮮明に残っているという神原さんは、「戦争が始まれば、国民の暮らしそのものが戦争状態になることを雄弁に語っている。今、秘密保護法、集団的自衛権の行使容認といった先に何があるのか、主権者である一人ひとりに考えてほしい」と話しています。
(「しんぶん赤旗」 2014年9月15日付より転載)

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