東海第2差し止め訴訟 水蒸気爆発の対策必要 高裁で原告側
日本原子力発電(日本原電)東海第2原発(茨城県東海村)の運転差し止めを住民が求めている訴訟の控訴審第6回口頭弁論が4月25日、東京高裁(谷口豊裁判長)でありました。原告側は、一審の水戸地裁判決が争点から外した「水蒸気爆発の脅威」に対する規制や対策の必要性などを主張しました。
原告代理人の青木秀樹弁護士は、福島第1原発事故で起きないと言われていた水素爆発により大惨事となったことに触れ、「同様に原発のシビアアクシデントとして大規模な爆発になりうるのが水蒸気爆発だ」と指摘。さらに東海第2原発は構造上、格納容器内の水蒸気爆発の可能性が高いことを説明しました。
一方で一審被告の日本原電も原審判決も、各種実験を根拠として水蒸気爆発の可能性は極めて低いとして、現状の水蒸気爆発対策は不合理ではないとしたことに対し、青木氏は国内外で各種実験が実施されているのは、水蒸気爆発の発生を前提として、発生したときの影響が大きいためであり、水蒸気爆発に関して「知見は確立していないからこそ、規制や対策の必要性を新たに判断するべきだ」と強調しました。
報告集会で弁護団は、進行協議の内容について、「裁判所はスケジュールを気にしている。日本原電が再稼働に向けて動いていることも背景にある。相手を圧倒する(反論できない)資料や論戦を出していきたい」と語りました。
(「しんぶん赤旗」2025年4月28日付より転載)