茨城民報2024年11月号
新たな激動切り開く 強く大きな党をつくり政治を前へ
10月27日に投開票された解散総選挙で茨城県の日本共産党は県内6つの小選挙区に候補者を擁立しました。選挙では自民・公明を過半数割れに追い込む国民の厳しい審判が下り、「自民党政治に代わる新しい政治を模索し、探求する新しい政治プロセス」(田村智子委員長)が始まる激動の国会になります。総選挙をふまえ、候補者としてたたかった6人に感想と今後の決意を聞きました。(編集部)
(司会)大変お疲れ様でした。政策はもちろん、皆さんの訴えは共感を広げたと思います。どこに力を入れて訴えましたか。
(高橋)自己責任を押しつける政治を変えようと訴えました。物価高と暮らしの困難は自然現象ではなく、政治が作り出してきたもの。今の社会の生きづらさは決してあなたのせいではなく、自民党政治の責任なんだということを伝えたかった。特に教育費の問題は典型で、授業料はタダ、生活費まで保障する国が欧州を中心に広がっている中で、世界一高い学費と借金を押し付けている日本社会は異常です。
(吉田)物価高は本当に暮らしを追い詰めていますよね。対話でも生活が苦しいという声がほとんどです。上がらない賃金と少ない年金の悲鳴が大本にある。ここに物価上昇ですから切実なのは当たり前です。
(川井)2区は自民党政治の縮図です。特に平和の問題では衆院選のさなかに百里基地を使って全国規模の共同演習が行われました。戦闘機も大洗の原発施設上空を飛び交う危険なものでした。
(間宮)ノーベル平和賞を日本被団協が受賞しましたよね。この意味に目を向けて、反戦・平和を守り続けてきた日本共産党こそ真っ当な政治を作れると訴えましたよ。
(千葉)私自身、前職のシステムエンジニア時代は長時間労働が当たり前で、入社同期の仲間が病気で退職することもありました。今回党として「賃上げと一体に労働時間の短縮を」との政策が出ましたが、私が一番実感している実態を訴えられたのは良かったと思います。
(大内)企業・団体献金で歪んだ政治の転換が求められています。原発推進の政治を変えるのと同時に、先進諸国に比べて低すぎる社会保障の充実を訴えました。腐敗政治をなくす一番の力は日本共産党の躍進ということを強く呼びかけました。
若い人の熱い激励が
(司会)嬉しい反応などはありましたか。
(吉田)街頭では「若い人が頑張らないとね」という期待は大きかったように思います。選挙ポスターも他候補2人と差別化を図るために「男性はネクタイ、スーツ」という固定化された男性政治家のジェンダー像を捨てて、ノーネクタイでフレッシュに仕上げてもらいました。
(川井)これまでにない若い方からの力強い応援の声でした。新しい反応がたくさんありましたね。
(間宮)必死に自分を鼓舞しながらの選挙でした。土浦駅では通りすがりの人が何人か立ち止まりながら聞いてくれて、庶民の気持ちを代弁することができたのが嬉しかったですね。
(高橋)嬉しかったのはSNSを見た青年が聴きにきてくれたこと。「初めて投票したいと思える候補者で出会えた」と語ってくれました。笠間市ではオープンしたばかりのカフェの若いオーナーさんが夫婦揃って出てきて熱い激励をしてくれました。
(大内)「共産党はぶれずに国民の立場を貫いていますね」という共感の声、取手ではつくばへの女性通勤客から「共産党の一日7時間への労働時間短縮はとても良い政策です」と声をかけられました。
(千葉)私も選挙終盤、日立駅で高校生から「入れました!」と声援をもらいました。「赤旗」の自民党非公認候補への政党助成金二千万円支給スクープの後、「ひどすぎるわね」の声かけも。初めて共産党に入れた人もいると思うので、この新しい人たちと接点をつくりたいと思います。
仲間増やし変える
(司会)期待の連続でしたね。文字通り「赤旗」スクープが自民・公明を過半数割れに追い込む結果となり、新しい国会では政治の中身を変える可能性が大きく広がっています。今年暮れは県議選が折り返し、来年夏は参院選と知事選・東海村長選と政治戦が続きます。あらためて決意をお願いします。
(大内)やはり日本共産党の躍進こそが政治を変える希望の道だと思います。党を強く大きくしていきたい。学びながら対話活動を進めていきたいです。
(川井)もっと若い声を集めたい。諦めることなく、暮らし・命・一人ひとりが大切にされる希望ある政治をめざしたいです。
(間宮)共産党の本当の姿を分かりやすく伝える方法はないものか探りたいですね。働く人が積み上げた富は、ひと握りの人が独り占めしないでみんなで分かち合う。個人の可能性が生かされる社会をつくりたいですね。
(高橋)新しい政治を求める有権者の模索が広がっていると感じます。財源を示して暮らしを良くする提案ができ、一途に頑張り通せるのが共産党。もっと支持を広げられる伝え方の工夫を深めながら、仲間を増やしながら新しい政治をつくりたい。
(千葉)大本の党建設の前進を勝ち取りたいです。そのためにも青年・学生分野や学習・教育、SNS活用を進めるIT対策を拡充させることが責務だと自覚しています。
(吉田)選挙を通じて支部や支持者のみなさんとも信頼関係が生まれました。「吉田さんはまたうちの支部に来てくれるのかな?」と話してくれています。総選挙の結果や要求をしっかり分析して、来年の参院選に向けてまた取り組んでいきたいです。
(司会)引き続きみなさんの活動に期待しています。ありがとうございました。
リレーコラムvol.6希望のまど
スマホの相談楽しみに 古河市議 秋庭繁
還暦を過ぎて市議会議員になり14年が過ぎました。すべてにおいて体力の衰えを感じながらの議員活動です。8年前に狭窄症で腰の手術、2年前には右膝半月板損傷で膝の手術をしました。それぞれ手術前は痛みで動くことも歩くこともできず「しんぶん赤旗」の配達も代わってもらいましたが、術後はリハビリを兼ねて配達・集金に参加しています。
日常生活では車での移動が多く足腰に負荷をかけるリハビリにはなりませんが、役所内は階段もあり適度なリハビリを兼ねての配達活動です。毎週読者を訪ねて会話することも楽しみのひとつです。小中高などの同級生は必ずあっちが痛い、こっちが痛いの話から始まります。地域の読者からは生活相談や役所への要望などもありますが、毎週各課を廻っていることもありすぐに担当課へ届けることが出来ます。
いま年齢を感じることは、スマホなどが身近な機器として便利ですが、それをどう使いこなしていくのかがわからないことです。今回党支部では40代の青年を迎えました。スマホやPCの操作を気軽に相談できるようになり、楽しみがひとつ増えました。Z世代との会話を楽しみながらもう少しがんばりたいと思っています。
物価高騰やコメ不足、医療過疎…「豊かな財政力で暮らし支える県政を」
党県委、県に予算要望300項目
日本共産党茨城県委員会(上野高志委員長)は11月20日、来年度の県予算案をめぐる大井川和彦知事宛ての要望書を提出しました。岩下泰善副知事が対応しました。上野委員長と江尻加那県議、高橋誠一郎党県政策委員長、川井宏子党県医療福祉相談室長、吉田翔若者・くらし相談室長、千葉達夫党県青年学生部長が参加しました。
要望は物価高騰対策、学校給食の無償化、東海第二原発の廃炉など、暮らし・医療福祉・教育分野の300項目です。とりわけデマンドタクシーやコミュニティバスなど、買い物や通院に欠かせない地域交通の充実をはじめ、補聴器購入費への県独自の補助、低所得者世帯や福祉施設などへの電気代補助など物価高騰対策を要望。
12月から実施される、救急車利用の「一部有料化」につながる選定療養費の徴収をやめるよう強く求めました。
江尻氏は、物価高騰が県民の家計を圧迫しているとして県独自の直接支援とともに、自民党の裏金事件で政治への不信が高まっているとして、知事の政治資金パーティーの実施はやめるよう求めました。高橋氏は今年の米不足を受けた稲作支援を要求。
「鹿行地域はぜい弱な医療体制が問題。軍事費よりも医療充実にお金を使うよう求めてほしい」(川井氏)、「100以上の国が踏み出している消費税減税を強く求めてほしい」(吉田氏)、「副食費が上がって保育園の経営が大変。保育士の増員を求めたい」(千葉氏)などと述べました。
副知事は「多岐の要望をしっかり受け止めたい」と応じ、とりわけ水道管設備の更新など災害対応を進めたい考えを示しました。
施工不良発覚後初 東海第二を現地視察 県内議員ら参加
日本共産党の江尻加那県議ら県内の党議員団は11月13日、東海第二原発の構内を視察しました。調査は2022年11月以来2年ぶり。防潮堤工事の施工不良が明らかになってからは初めてです。参加者は、外部電源などが喪失した際に原子炉を冷やすための「高圧電源装置」や、コンクリートの未充填などが明らかになった取水口防潮堤付近を調査しました。
江尻氏は2年3か月とした工期延長の根拠や、別の基礎でも施工不良の可能性が指摘されているとし、原電をただしました。担当者は工期延長の理由を、資材や作業員の確保、施工不良への対応などをあげました。延長にともなう経費増は請負業者と協議中だとし、別基礎の施工不良も「施工業者からの報告はない」として調査を行う考えは示しませんでした。
つくば市議選 山中氏3期目当選
10月27日投開票のつくば市議選(定数28)で山中真弓候補が3,867票を獲得し6位で当選しました。結果は以下の通り。
▼山中まゆみ(現)3,867票(6位=当)▼橋本けい子(現)1,861票(30位=落)▼佐藤せつ子(新)1,756票(31位=落)
守谷市議補選 沖本氏及ばす
11月17日に投開票された守谷市議補選(定数2、立候補4人)で、日本共産党の沖本佳人候補は3,542票を獲得しましたが及びませんでした。沖本氏は選挙戦で▽小中学校給食の無償化▽国民健康保険税と上下水道料金の引き下げを公約。「納めた税金は暮らしや福祉に使おう」と訴えました。▼沖本佳人(新)3,542票(4位=落)
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