茨城民報2024年4月号
県新年度予算が成立 日本共産党は反対 県民のくらしを支える茨城に
茨城県議会は3月26日、2024年度の一般会計当初予算(約1兆2511億円余)を賛成多数で可決し閉会しました。日本共産党の江尻かな県議は反対しました。
当初予算の規模は前年度当初比で3.2%減。新型コロナ関連分は同6割減の511億円です。大井川県政の7度目の新年度予算ですが、物価高から県民生活や中小業者の営業を守る施策、農業者支援はあまりに乏しい内容です。
江尻県議は一般質問で、「くらしの負担軽減や福祉充実にこそ県政が果たすべき役割がある」と迫りました。
特に中小業者での賃上げをめぐり、常陽産業研究所の調査で、企業が求める支援策は「税金や社会保険料の負担軽減」が断然トップだと指摘。
岩手県が1人5万円の補助4万人分(21億円)の思い切った支援を行っているとし、「社会保険料の負担軽減などすべての中小企業を対象に直接支援をすべき」と求めました。
農業支援では、県が麦や大豆の生産拡大をめざしながら作付面積が減少し、必要量に生産が追いついていないと強調。気候によって収穫量が安定しない麦・大豆の価格保障に加え、収入保険制度の改善、酪農畜産業の配合飼料への支援を求めました。
基金あるのに
くらしの負担軽減こそ県民のねがいです。しかし24年度から国民健康保険と介護保険、後期高齢者医療保険の保険料が同時に引き上げられようとしています。
国保税は、市町村からの県への納付金が県民一人あたり5.1%の負担増、介護保険は利用料2割負担の対象者の拡大が計画され、後期高齢者の医療保険料は共産党3名以外の賛成(広域連合議会)で年平均11%の負担増が強行されました。
江尻県議は、24億円にのぼる国保財政安定化基金に触れ、1億円しか活用していないと指摘。残る基金を活用した国保税の軽減、18億円を超える介護保険財政安定化基金を使って保険料・利用料の減額を迫りました。
福祉・教育が前進
県民運動と県議団の論戦が県政を動かしています。公衆衛生の要となる土浦保健所が24年度着工(26年度以降に供用開始)。薬剤師・薬学生への奨学金返済・貸与事業や特別支援学校(内原、鹿島、つくば、結城、協和、石岡)で校舎が増築されます。神栖特別支援学校の新設へ事業費が盛り込まれました。児童相談所で児童福祉司12名、児童心理司が14名増員されます。
後期高齢者医療保険料 85億円基金あるのに11%値上げ
2月19日、茨城県後期高齢者医療広域連合議会で、24年度の保険料値上げが強行されました。
日本共産党議員団(3名=遠藤憲子・牛久市議、菊地昇悦・大洗町議、高野衛・鉾田市議)は「物価高騰と年金削減で暮らしが大変。基金を活用し値上げをやめよ」と反対しました。保険料は年間一人平均で7,698円の値上げです。
日本共産党の菊地昇悦議員は「広域連合には基金35億円があり、ほかに県の財政安定化基金も50億円ある。負担軽減に基金取り崩しを」と主張しました。高野衛議員は1年限りの激変緩和の延長を要求。遠藤憲子議員は「低所得者にも均等割がかかる。所得割も負担増となる」と述べ、値上げに反対しました。
県立医療大 授業料値上げ撤回を求める 江尻県議「県が行うべきは無償化です」
茨城県が提出した、茨城県立医療大学(阿見町)や中央看護専門学校(笠間市・つくば市)、農業大学校など6つの県立教育施設の授業料を値上げする条例案が、自民・公明・立憲・国民民主などの賛成多数で可決しました。
日本共産党の江尻県議は「値上げ条例は撤回すべき。無償化に向けた引き下げこそ必要だ」と述べ、値上げ中止を強く求めました。値上げは2025年度以降の入学生からでいずれも物価高騰にともなう電気料金の経費増を理由としています。
県は3~4年ごとに授業料を見直していますが、医療大の授業料改定は05年以来19年ぶりです。
東京・大阪兵庫は無償化
江尻県議は東京都や大阪府・兵庫県が24年度以降、公立大学の授業料を段階的に無償化することを示し、「知事は全く逆の値上げを提案した」と批判。値上げ中止を重ねて求めました。
「1県1水道」に県都水戸市が“不参加” 市町村直営で命の水守れ
日本共産党水戸市議団長 田中真己
日本共産党水戸市議団は、茨城県が推進する1県1水道、経営一体化について、水道料金値上げや7割もの浄水場廃止で災害リスクを高めるとして反対し、議会でも水戸市が参入しないよう繰り返し求めてきました。
独自検証で安く
2023年9月議会で、水戸市の高橋市長が「1県1水道をめざす経営一体化には参加しない」と表明したことは、市民の利益にかなう決断でした。
水戸市は参加しない理由について「県のシミュレーションを市独自に検証した結果、独自経営を維持した方が給水原価を安く抑えられる」と説明。他の自治体でも独自検証を行えば県と異なる結果が出ることは間違いありません。
水戸市の不参加で、1県1水道は早くも頓挫しました。しかし県は推進姿勢を崩さず、水戸市以外の自治体で「広域連携検討・調整会議」を開き、24年度中にも経営統合や県水道との一体化を進める方針です。今後、法定協議会が結成され、一気に統合に進む危険があります。
県の水を買わせる
そもそも水道広域化や経営統合のねらいは、官民連携の名のもとに、水道事業の運営を民間に開放することを見越したものです。同時にこれまでのムダな水源開発の反省もなく、市町村の自己水源を閉じさせて、高い県の水を買わせるねらいがあります。
能登で断水長期化
能登地震でも明らかなように、水道施設の広域化は復旧に時間がかかり断水を長期化させます。災害対策からも、水源は一極集中ではなく市町村独自に整備する方が安全です。県は広域化の理由に耐震化の遅れや職員不足をあげていますが、広域化で耐震化が進む保証はありません。国や県がやるべきは、市町村それぞれが安くて安全な水道を維持できるように耐震化への補助や支援を行うことです。
水道をズタズタにする計画の詳細を知りたいと情報公開請求しましたが黒塗りばかりでした。引き続き全面公開を強く求めるとともに、広域化の危険性を県民に広く知らせ、力を合わせて中止させたいと思います。
常陸大宮市議補選 善戦健闘 参院比例の3.5倍 「小室さんが出てくれて良かった」
4月14日投開票の常陸大宮市議補欠選挙(市長選挙と同時)は、定数2を4人で争う大激戦となりました。
日本共産党の新人候補、元市職員の小室貞夫さんは、前回の参院比例得票数を約3.5倍に増やし3,202票を獲得し次点、当選には至りませんでしたが善戦健闘しました。
選挙後、支援者からは「今の議会は市長の提案を聞くだけの議員が多い。市長にしっかり意見が言える小室さんに当選してほしかった。次こそ期待している」との声。党員からも「今回は残念だったけれど、小室さんが出てくれて本当によかった。党の存在を示すことができた」と感謝の思いが口々に出されています。
小室さんは「初めての挑戦で本当に大変でしたが、皆さんと一緒に闘えたことを嬉しく思います。党の議席の重みも実感できました。選挙で訴えた学校給食無料化や補聴器購入補助などへの市民の皆さんの反応はとても良かった。これからも頑張りたい」と語っています。
党議席増をめざして市政に一石を投じ、希望を広げた選挙となりました。
リレーコラムvol. 1 希望のまど
小学校入学式であいさつ 新1年生のキラキラした眼差しに‥
八千代町議 赤塚 千夏さん
満開の桜に激しい雨が打ち付ける4月9日。入学式で少し緊張しながらも背筋を伸ばし誇らしげな顔の新入生。私は「お友だちのお話を最後まできちんと聞いて、思いやりのある優しい人になろう。もちろん自分の気持ちもしっかり伝えようね。そうやってみんなと話し合いながら、楽しい小学校生活を送ってください」と伝えました。
世界各地で戦争が起こっています。子どもたちの仲違いも国同士の争いも話し合いでしか解決する方法はありません。
「子どもたちに暴力はいけません」と教えながら国同士がいがみ合う不条理。罪のない子どもたちが犠牲になっている現実…。無力感に苛まれることもありますが、あきらめた先に未来はありません。
子どもたちのキラキラした眼差しを見ながら「平和な社会をバトンタッチしたい」と心に誓いました。
私は「子どもたちの笑顔を守りたい」と立候補を決意した時から、3つのゼロ(▽学校給食費▽18歳までの医療費▽子どもの国保税均等割)を訴えて共感を広げ上位で当選できました。
そして昨年12月の初議会。一般質問で取り上げて、24年度から学校給食費無償化と医療費無料化が実現できたのです。
たくさんの声を集めれば政治を動かせると実感できました。平和の問題もこれからが正念場です。「武器輸出はやめよう、憲法9条を守ろう」という声を広げるために微力ながら奮闘する決意です。
*これからリレーコラム「希望のまど」を連載します。
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