筑波大学長選考 公平に 教員有志が是正要求
筑波大学(茨城県つくば市)の教員有志でつくる「筑波大学の学長選考を考える会」は10月14日、文部科学省で会見を開き、20日に実施される学長選考が「公開性と公平性を欠いている」として、その是正を求めました。
学長選考には現職の永田恭介学長と松本宏教授の2氏が立候補。
筑波大学は昨年12月、永田学長の下で防衛省の「安全保障技術研究推進制度」に応募し、採択されています。
竹谷悦子・人文社会系教授が、学長選出にあたっては国立大学法人法第12条で「選考会議」の議長の選出を定めているにもかかわらず、選考会議の議事録には「議長の選出」が見られないと指摘しました。
吉原ゆかり・人文社会系准教授は、大学の教職員組合が学長選考の情報をホームページで発信していることに当局がクレームをつけているのは、使用者による労働組合への介入を禁じた労働組合法違反だと強調しました。
筑波大学は4月に学内規定を改定し、最長6年だった学長の通算任期と再任回数の上限を撤廃しています。
会見に同席した指宿昭一弁護士は、「学長の独裁が許されることになり、学問の自由と大学の自治が危機にひんしている」と告発しました。
筑波大学は、教職員による投票を行わない代わりに、教職員に「意見聴取」を実施。
会見では、永田学長の584票に対し、松本候補が951票の大差をつけていることも明らかにしました。
(「しんぶん赤旗」2020年10月15日付より転載)