東海第2原発 過酷事故で年32兆円の社会的損失 茨城で講演会
30キロ圏内に約100万人が居住している茨城県東海村の日本原電東海第2原発が、茨城県の経済に及ぼす影響について考える講演会が9月11日、東海村内で開かれました。
東海第2原発運転差止訴訟原告団が主催。
講演した環境経済研究所の上岡直見氏は、東海第2原発が現在あることで3,700人余の雇用を誘発し、核燃料関連の税収もあると説明。
一方、東海第2原発で過酷事故が発生して30キロ圏内の住民が避難を強いられた場合、56万6000人余の雇用が奪われ、消費支出の減少や産業の消失、税収減などで約32兆円もの社会的損失が生じるとの試算結果(いずれも年間)を示し、首都圏や日本経済全体に与える影響についても論じました。
東海第2原発で過酷事故が起きると、近接する常陸那珂火力発電所も運転できなくなることから、上岡氏は「電力供給の面からみて、東海第2原発を維持することに意味があるのか」と問いかけ、再生可能エネルギー利用への転換を訴えました。
(「しんぶん赤旗」首都圏版 2016年9月14日付より転載)