茨城民報2015年9・10月号外 豪雨災害 住宅と農地の復旧、危険箇所の改修を 日本共産党が県知事に要望
豪雨災害 住宅と農地の復旧、危険箇所の改修を
9/24 日本共産党が県知事に要望
日本共産党茨城県委員会は9月24日、県知事に「台風18号の豪雨災害に対し救援、復旧、自治体支援に関する緊急申し入れ」を行いました。
この申し入れには、大内久美子党県副委員長、堀越道男常総市議、江尻加那・上野高志両県議らが参加しました。
(1)激甚災害指定、「わかりやすい災害救助法や住宅再建支援法等」の配布。
【回答】激甚指定を国に求めていく。制度解説の配布は検討したい。
(2)水質検査―井戸水の検査項目のなかに放射能検査を含めること。
(後ほど回答)
(3)第2次避難所について―ホテル、旅館も避難所として使用すること。「全壊者」以外にも公営住宅等の提供を行うこと。
【回答】ホテル、旅館の使用は可能。公営住宅等の提供は、全壊者以外も可能。
(4)ゴミ、ガレキ対策―被災者の個人負担にならないようにすること。
【回答】個人負担はない。市に国から5割の補助、4割の交付税措置がある。
(5)自動車税等の減免、徴収猶予の拡大。
(後ほど回答)
(6)農業被害への救済、支援、補助―土砂(瓦礫を含む)が田や畑に堆積している。
とりのぞく事業を国に求め、農家負担をなくすこと。
農業機械や器具等の購入、更新への補助、施設の復旧への補助を実施すること。
農業共済は、収穫前の農産物が対象で収穫後は対象にならないため、国・県の補助を行うこと。
【回答】農地の復旧の5割、農器具に35%の補助制度がある。この適用と補助率の拡大を求めていく。共済適用の要望が強いが難しい。
(7)中小企業の再建支援―中小企業等グループ施設等復旧整備補助事業の実施を国に求めること。
(後ほど回答)
(8)被災住宅再建への支援強化―被災者生活再建支援法を改正し、支援対象を半壊や一部損壊にも拡大するとともに、限度額を当面500万円に引き上げること。救援のヘリコプターによって壊れた家屋について国への要望とともに県制度の適用を行うこと。
住宅の多くが床上浸水した。床下にヘドロが堆積し、床をはずしてヘドロをとり除き、床をはり替えなど、多大な費用を要する。住宅再建支援法を柔軟に適用すること。住宅浸水被害者への見舞金の増額と改修資金の給付を行うこと。
(後ほど回答)
(9)障害物の除去、住宅の応急修理―住宅や周辺の泥や障害物を自力で除去できない人への災害関連法を柔軟に適用して支援すること。その際の手続きを簡単にすること。住宅が損壊し自力で応急修理ができない人、修理をしなければ、居住が困難な人のための「応急修理」を柔軟に適用すること。
(後ほど回答)
(10)仮設住宅をはじめ被災者の住・生活環境の改善―第2次避難所、応急仮設住宅は、常総市内を考えること。
【回答】検討する。
(11)医療対策―きぬ医師会病院、水海道さくら病院が水没して医療行為が困難に直面している。診療機器の整備、再生を早急に行うこと。
(後ほど回答)
(12)指定廃棄物―鬼怒川沿いに、常総広域市町村組合のゴミ焼却場(守谷市)があり、指定放射性廃棄物を大量に保管している。県内すべての指定廃棄物保管所の安全対策、水害への対応を実施すること。指定廃棄物の「保管」を抜本的に強化すること。
日光市内に保管されていた除染廃棄物が入った土のう袋が流出した。鬼怒川、利根川に放射性廃棄物が流れ出た可能性が高い。水道取水場等で放射能検査を実施すること。
(後ほど回答)
(13)自然堤防、ダムについて―鬼怒川の自然堤防が業者によって掘削された。国の責任を明確にすること。鬼怒川上流のダムは適切に運用されたのか。
【回答】掘削については、国の調査と検証を見守る。ダムの調整で水位の上昇を抑制したと考えている。
(14)危険箇所対策―鬼怒川の河川改修の遅れが水害の要因となった。河川や土砂崩れ等の危険箇所の総点検を行い、緊急対策を講ずること。
【回答】危険箇所の調査と対策を検討していく。
(15)防災計画、広域避難計画―茨城県地域防災計画風水害等対策計画編(2015年3月改訂)で、「直轄河川改修」に鬼怒川が入っていない。見直しを。
【回答】見直しを検討していく。
参院災害特委 激甚災害指定、救済拡充を
日本共産党 紙議員が質問
9月24日、参院災害特別委員会が開かれ、日本共産党の紙智子議員は、台風18号による豪雨被害を速やかに激甚災害指定することを求めるとともに、従来の枠組みにとらわれない支援と救済制度の充実を求めました。
紙氏は、茨城県常総市の視察(21日)などをもとに、▽情報が十分に届いていない被災者・避難者に支援を強化すること、▽自家用車を流されて避難所と自宅の移動が困難となっている被災者への支援、▽不衛生な状態で感染症拡大が予想されるなか医療体制の充実─などを求めました。
また、災害廃棄物が年間のゴミ総量の約1.4倍となる2万4000トン以上(推計)にも上ることなど深刻な実態を示し、「国がもっと広域に支援する体制をつくるべきだ」と主張しました。
環境省の鎌形浩史リサイクル対策部長は、常総市に11カ所ある災害廃棄物の仮置き場に加えて、分別をまかなう二次仮置き場でも処理していく考えを示しました。
紙氏は、堤防の決壊によって土砂が60センチほども農地に堆積したうえ、倉庫に保管していた収穫米までも浸水した被害を取り上げ、それらが共済対象になっていないことについて、「放置すれば離農にもなりかねない。地域の農業を守るために、真剣に支援策を考えて救済すべきだ」と訴えました。
山谷えり子内閣府防災担当大臣は、「現状把握して、いろいろと考えていく」と述べました。
紙氏は、きぬ医師会病院等が浸水で被害をうけた機器類などへの支援を早急に行うよう要望しました。
厚生労働省の福島靖正審議官(医政担当)は、「医療施設等災害復旧費補助金を通じて必要な支援をしていく」「できる範囲でできるだけのことをしていきたい」とこたえました。
激甚災害指定とは
被災者及び県・市町村に対し復興支援のために国が通常を超える特別の財政援助を行う事を目的とした法律で、国庫補助率の嵩上げや、新たな補助が行われる。
農地や農業用施設の復旧事業の場合、最大9割の国庫補助にかさあげられる。
土木施設、公民館、図書館、体育館、私立学校施設等の復旧も対象。ただ農作物は対象外。
また被災住宅は、「被災者生活再建支援法」の対象。
日本共産党は、農地被害は広大であり1割の農家負担もなくすこと、被災者生活再建支援法を一部損壊などにも柔軟に適用し、金額を引きあげることを求めています。