ごいっしょに考えてみませんか 茨城県政(大内県議の県政報告・2013年7月)

【目次】
[1]県民の福祉・暮らし、経済は…
[ 県民要望 / 福祉、介護、医療 / 暮らし・経済 / 農業 / 震災復興 / 環境 / 教育 ]
[2]「重点」にしてきた大型開発は…
[ ひたちなか地区開発 / 茨城空港 / 水開発・ダム / 県保有地 / TX沿線開発 ]
[3]県民にのしかかる開発のツケ
[ 破たん処理 / 県債残高 / 税金免除 ]
[4]原発災害から県民をまもる
[ 放射能対策 / 地域防災計画 / 東海第2原発 / 自然エネルギー ]
県民の福祉と暮らし、地域経済を支える県政へ
1. 県民の福祉・暮らし、経済は…
「くらしが大変」「仕事がない」「国保税が払えない」…県民の声は切実さを増しています。
国の政治が暮らしを脅かしてきているとき、「住民の暮らしと福祉をまもる」という自治体の役割を茨城県政は果たしているでしょうか。
県民要望
県民の願いは医療、福祉の充実
県が実施している「県政世論調査」での「県政への要望」では、毎年「医療体制の整備」「高齢者福祉対策」が1、2位を占めています。続いて「子育て支援・少子化対策」や「雇用対策」「高齢者の健康推進」と続き、福祉や医療、暮らしの分野の充実を求める声が圧倒的です。
橋本知事が重点として推進している「高速道路や鉄道、空港、港湾など広域交通ネットワークの整備」を望む声は昨年の調査ではわずかに4.7%でした。
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2012年実施の「県政世論調査」では、福島第1原発事故に伴う放射能汚染に関して県に必要な環境対策を求める声が多く寄せられました。
放射能汚染に関する情報提供(41.7%)、放射線量の測定強化(23.0%)、市町村が実施する除染対策への支援(9.5%)、廃棄物の保管・処分(9.5%)などです。
食の安全対策では「放射能汚染に関する検査及び規制の強化」(42.9%)、「食品の検査強化」(39.1%)と続いています。

福祉、介護、医療
医療・福祉の全国指標から
◇老人ホーム定員数(65歳以上人口千人当たり)……… 38位
◇身体障害者更生援護施設数(人口100万人当たり) … 47位
◇知的障害者援護施設数(同)…………………………… 46位
◇児童福祉施設数(人口10万人当たり)…………………  40位
◇保育所数(0~5歳人口10万人当たり)………………… 35位
◇一般病院数(人口10万人当たり)……………………… 32位
◇一般診療所数(同)……………………………………… 46位
◇医師数(人口10万人当たり)…………………………… 46位
◇看護師・准看護師数(100病床当たり)………………… 44位
◇保健師数(人口10万人当たり)………………………… 38位
◇民生費(人口1人当たり県・市町村財政合計)………… 44位
◇老人福祉費(65歳以上人口1人当たり・同)…………… 43位
◇児童福祉費(17歳以下人口1人当たり・同)…………… 41位
(2013年3月「茨城早わかり」、総務省「統計でみる都道府県のすがた2013」より)
それなのに…福祉施策は後退つづき
[県立社会福祉施設の統廃合]
◇保健所廃止(18→12ヶ所:94年4ヵ所、99年2ヵ所)
◇婦人相談所など4相談所を統合(2000年)
◇県立水戸看護専門学院・夜間定時制廃止(02年)
◇県立中央看護専門学院保健学科廃止(02年)
◇児童養護施設(友部みどり学園)廃止(03年)
◇知的障害者援護施設(内原厚生園)の統廃合(03年)
◇特別養護老人ホームの廃止・民間売却(04年)
[福祉・医療施策の削減]
◇介護慰労金の廃止(02年)
◇医療費助成制度に入院費・食事費の自己負担を導入(05年)
◇小児慢性疾患助成への県独自助成を削減(06年)
◇精神障害者通院費補助打ち切り(06年)
◇在宅障害者福祉手当に所得制限を導入(07年)
◇重度心身障害者の医療費助成を削減(08年)
◇妊産婦医療費助成を削減(09年)
◇小児慢性疾患治療補助対象を縮小、所得制限を導入(09年)
◇県立こども福祉医療センターを「民設民営化」(10年)
介護保険─重い保険料・利用料の負担
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介護保険料は3年ごとに改定されますが、2012年4月、県平均で22%値上げされ月額4,528円となりました。同時にホームヘルパーがおこなう生活援助の時間が短縮され、介護報酬も引き下げられました。
介護サービスの削減とともに保険料の引き上げと高い利用料は、介護保険を利用する高齢者と家族の重い負担となっています。本県では、高い利用料負担によって居宅サービスの利用限度額にたいする平均利用率は40%程度にとどまっています。認定者は年々増加していますが、介護が必要と認定された人でも6人に1人以上、16,048人(13年1月)はサービスを利用していません。
独自減免実施の市町村への支援ない
保険料・利用料の負担にたいし県内市町村では保険料で17市町村、利用料で15市町村が独自に減免措置をおこない住民の負担軽減をはかっています。しかし、これら市町村を支援する県の助成はありません。
特養ホーム─増える待機者、低い整備目標
特別養護老人ホームの待機者は6千人を大きく超えています。しかし、県の「第5期いばらき高齢者プラン」(2012年から3カ年)の整備目標は2,496床で、圧倒的に不足しています。
整備目標を引き上げ、計画的に待機者の解消をめざす緊急対策が必要です。
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国保税─滞納世帯2割こえる、強まる「取り立て」
国民健康保険の県内加入世帯は49万5千世帯、そのうち滞納世帯は2割を超えています。生活の困窮で国保税の負担が耐え難いものになっています。滞納を理由に保険証を取り上げられ、資格証明書を発行された世帯は5,772世帯(12年6月)にのぼります。
滞納せざるを得なくなった人にたいし、救済の手を差し伸べるどころか強権的な「取り立て」も強められています。
茨城租税債権管理機構が2010年度に徴収した2割以上は国保税が占めました。
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市町村国保への県補助を廃止
県内市町村は一般会計から100億円を繰り入れし、住民負担の軽減に努力しています。市町村を支援すべき県は06年に市町村国保への県費補助を廃止しました。
後期高齢者医療制度─2012年4月に保険料値上げ
75歳以上の高齢者が加入する後期高齢者医療制度では県後期高齢者医療広域連合が2012年4月、平均1,250円(2.5%)値上げし、高齢者に重い負担が強いられました。関係者は財政安定化基金の取り崩しや医療費の伸び率の見直しで値上げは避けるよう求めました。同じ被災県の岩手県は復興に向けて「負担増を回避する」と保険料率を据え置きしています。
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子どもの医療費助成─自己負担・所得制限を導入
子どもの医療費助成の拡充は子育て世代の切実な願いです。2010年10月に対象年齢が小学3年まで拡大されましたが、自己負担と所得制限は継続されました。本県の所得制限はきびしく、県内30市町村で独自に撤廃しています。
中学卒業まで完全無料化にあと31億円
県内21市町村では対象年齢を独自に中学卒業まで拡大しています。自己負担も所得制限もなく中学卒業まで完全無料化に必要な財源は県試算でもあと31億円です。税金の使い方が問われています。
43保育所─増加する待機児童
認可保育所に申し込んでも入れない待機児童が増えています。待機児童の解消には定員超過の詰め込みではなく、保育所の計画的な新・増設が重要課題です。
2012年12月、保育所の最低基準が県条例に委ねられました。
「意見募集」で一番多く寄せられたのは面積や職員配置の拡充でしたが、県条例は、これまでの低い国基準を踏襲するものとなっています。
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児童相談所─虐待相談件数は10年間で1.9倍
県内の中央、土浦、筑西の児童相談所に寄せられた児童虐待に関する相談件数が10年間に1.9倍に増えており、相談体制の強化が求められています。
2012年9月、水戸市水府町に中央児童相談所と一時保護所が移転新築されました。虐待を受けた児童などを一時的に保護する一時保護所は県内で1ヵ所だけです。相談件数が多い県南地域への児童相談所の拡充は大きな課題となっています。
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生活保護─保護率は全国の約半分
県内の生活保護世帯は1万9千世帯を超え、「高齢者世帯」が47.6%(13年4月時点)を占めています。県担当課は、雇用情勢が回復の兆しが見えてこない状況のなかで「増加傾向は今後も続くものと予想される」と見ています。
窓口で相談者に就労や親族などの援助を求め、申請を受け付けない事例も横行しています。茨城県の保護率は全国平均の約半分にとどまっています。
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暮らし・経済
減少する賃金、増加する非正規労働者
県内経済はこの10年、企業所得は19%増えている一方で、1人当たりの県民雇用者報酬は8%低くなり、年間39万8千円減りました。
非正規労働者は30%急増し、低賃金と雇用不安に拍車をかけています。
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非正規労働者─県内労働者の4割に
県内の非正規雇用は2001年の34万4千人から09年には44万8千人に増え、県内労働者の40.4%に。全国平均の39.8%を上回っています。
地域経済支える中小企業─雇用の88%担う
県内の中小企業は企業数で99.9%、雇用者数では88.3%です。この中小企業が元気になってこそ、地域経済再生の道がひらかれます。ところが3月末の金融円滑化法の打ち切りで資金繰りが厳しくされ、さらに原材料費や燃料費の値上げなど、中小企業に新たな困難が生まれています。
地域経済に果たしている役割にふさわしい中小企業振興・支援策が求められています。
茨城県の中小企業
企業数…92,823(構成比 99.9%)
常用雇用者数…478,699(構成比 88.3%)
(中小企業白書・2012年版より)
商店街の実態─8割以上が「衰退している」
県実施の商店街実態調査(3年毎)では、8割以上の商店街が「衰退している」と回答しています。主な要因に「魅力ある店舗減少」「大型店の影響」などを挙げています。
最近3年間に大型店が出店した商店街では、7割以上が来街者が「減った」と回答。
一方、大型店が退店した商店街でも、半数以上の商店街が来街者は「変わらない」と回答しています。
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県内の空き店舗の状況
2005年…11.7%
2008年…12.3%
2011年…12.7%
(平成23年度・商店街実態調査)
商工予算─近県と比べると…
県内の中小企業や商店街を支える商工予算は予算総額の1割程度です。近県で最も高い群馬県並みに引き上げるだけでも、1,900億円以上の商工予算となり、中小企業の経営支援は抜本的に拡充されます。
2011年度の決算額(決算総額に占める割合)
茨城…1,292億円(11.1%)
栃木…1,054億円(13.5%)
群馬…1,261億円(16.4%)
千葉…2,108億円(12.6%)

農業
茨城農業の現状
71本県農業の地位(2010年度)
◇農家戸数 …103千戸(全国2位)
◇農家人口 …113千人(全国1位)
◇耕地面積 …174,100ヘクタール(全国2位)
◇農業産出額…4,306億円(全国2位)
土木事業中心の農業予算
農林水産部の予算は減少していますが、その半分は土木事業予算です。不要不急な土木事業を見直し、農家が安心して生産に取り組める価格保障・所得補償費を農業予算の中心にしていくことは、茨城農業を発展させ、食料自給率を向上させるために不可欠です。
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TPP(環太平洋連携協定)─本県農業に大打撃
県は日本が環太平洋連携協定(TPP)に参加した場合の県内農林水産業に及ぼす影響をまとめました。それによると年間影響額は2008年に比べ、農林水産分野の生産額の4分の1以上、1,174億円が失われると試算しています。茨城の農業と地域経済に大打撃となることが予想されます。
農産物の品目では、米はほぼ5割に落ち込み、小麦は99%と壊滅的被害を受けます。牛肉は約6割、豚肉は約8割が減少し、牛乳・乳製品などは全滅する見通しです。
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震災復興
住宅・店舗に大きな被害─「一部損壊」に直接補助なし
東日本大震災での本県の住宅被害は21万棟を超え、約9割は国の被災者生活再建支援制度の対象とならない「一部損壊」です。
そのため家屋や店舗の補修費用にたいする県独自の支援策が求められました。しかし県は「被害戸数が多く、財政負担が相当なものになる」(11年9月・第3回定例会で橋本知事)などとして直接支援を拒否し、資金融資を受けた場合の利子補給事業にとどめました。
県内の公立学校は95%が被害を受け、優先的な予算措置が急がれました。
しかし県議会で自民党議員が港湾の復旧を急ぐよう求めると、県は「利用企業が円滑に操業できるよう復旧工事に全力をあげる」と答え、港湾には重点配分しました。
県民の生活と生業の再建を優先すべき県政の役割が問われています。
住宅被害
全壊…2,623棟
半壊…24,196棟
一部損壊…185,014棟
床上浸水…1,799棟
床下浸水…779棟
(2013月5月9日現在)
中小企業の被災状況
[建物・外構など]
被害あり…69.0%
全壊…1.7%
半壊…6.5%
一部損壊…60.8%
[生産設備など]
商品・製品…28.5%
空調・給水設備…22.7%
店舗設備…20.6%
生産設備…10.7%
※県商工労働部が関係団体に依頼した震災直後の緊急アンケートの結果から。
調査期間:2011年3月14日~23日。回答数:県内1,023社
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環境
霞ヶ浦─水質悪化は環境基準の3倍
霞ヶ浦の水質は依然として高い値で推移しています。10年度の実績は、CODは環境基準の2.9倍、全窒素で3.3倍、全りんで3.3倍です。
水質浄化対策にこれまで1兆2,800億円が投入されましたが、2,700億円は、大規模しゅんせつや霞ヶ浦導水事業など大型公共事業でした。しゅんせつの浄化効果を検証し、下水道の整備や高度処理浄化槽設置への支援、減農薬農業の推進など、実効ある浄化対策へ転換が必要です。
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エコフロンティアかさま─操業期間を延長、県外受け入れ
県環境保全事業団運営の「エコフロンティアかさま」(笠間市福田、2005年操業開始)は、ごみの減量化やリサイクルの進展などで収益が低迷しているとして2010年に、▽当初10年としてきた埋立期間を30年に延長▽産廃を県外からも受け入れる▽可燃ごみは市外からも受け入れる―との方針に転換しました。
県包括外部監査報告書(13年2月)は、「どのような廃棄物をどの市町村、他県から受け入れているのか統計がない」と管理のずさんさを指摘しています。
・最終処分場
埋立面積…9.8ヘクタール
埋立容量…240万立方メートル
・焼却・溶融処理施設
処理能力…14.5t/日(2炉)
処理方法…高温ガス化直接溶融方式
地球温暖化対策─CO2排出の7割は産業部門
2009年度の温室効果ガスのうちCO2排出量は4,760万9千トン。
排出割合は産業部門が7割を占め、全国平均(34.0%)の2倍以上となっています。県環境白書は「本県は鉄鋼、石油化学製品生産県であることから産業部門が全国より上回っている」と分析しています。企業の「自主努力」まかせにせず、排出削減の義務付けなど実効ある対策が必要です。
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教育
教育行政の全国指標から
◇教員1人当たりの児童・生徒数
小学校児童数………………………………………………17位
中学校生徒数………………………………………………19位
高等学校生徒数……………………………………………16位
◇公立小・中学校教育費(児童・生徒1人当たり)…… 25位
◇公立高等学校教育費(生徒1人当たり)……………… 35位
◇公立特別支援学校教育費(同)………………………… 40位
◇図書館数(100万人当たり)…………………………… 42位
(2013年3月県統計課「茨城早わかり」より)
教職員を20年間に2,900人削減
橋本知事が就任した1993年以降、この20年間に教職員は2,934人削減されました。「第6次行財政改革大綱」(2012~16年度の5カ年間)では、公立小中学校の統合や高校再編などをすすめ、16年度までにさらに366人削減する目標です。
教職員は授業準備や子どもと触れ合う時間が取れずに悩んでいます。こうした「多忙化」を解消するためにも教職員の増員は欠かせません。教職員削減計画は、教育現場や保護者の願いに逆行するものです。
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臨時講師─特別支援学校では約2割占める
教職員の削減によって臨時講師が増え、教育現場で常態化しています。本来正規の教員を配置すべきところを臨時講師で補充しています。とくに特別支援学校では、教員の約2割は臨時講師で占められています。
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35人学級─小・中学校全学年で実現へ、あと59億円
111少人数学級の拡大は、県議会に毎年請願が提出されるなど県民の強い願いとなっています。
県教育委員会は2002年度に小学1年を対象に35人学級を一部で実施、03年度からは小学2年までに拡大し、10年度から小学4年と中学1年まで対象を広げました。しかし、35人を超えるクラスが3クラス以上あることが条件で、2クラス以下は非常勤講師を配置するという不十分なものです。
小・中学校全学年での35人学級の実現には、622人の教員増と追加予算59億円で実現できます。
私学助成─公私間格差ひろがる
公立高校無償化とともに私立高校への就学支援金が実施されましたが、支援金を引いても初年度納付金は69万円、入学金を除いても年間50万円の学費負担で、今なお公私間格差は広がっています。
学費滞納や経済的な理由で中退する生徒も増えており、教育の機会均等を保障する立場からも、公私間格差の是正にむけた支援が求められています。
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学校耐震化─県の財政支援が必要
文部科学省発表の「公立学校施設の耐震改修状況調査」では、県内の小中学校の耐震化率は70.5%で、全国平均の84.8%を下回り、全国45位でした。
小中学校の耐震化を促進するためには、市町村任せにせず、財政支援など県の積極的な役割が必要です。
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特別支援学校─18校中、12校で教室不足
特別支援学校の児童生徒は年々増加し、教室不足が深刻な状況です。現在、県立特別支援学校18校のうち12校で教室不足です。在籍児童生徒が200人を超える大規模校は9校もあります。07年に200人規模で開校したつくば特別支援学校は、現在394人と県内一の過密状態になっています。
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「整備計画」の抜本見直しを
県教委は「県立特別支援学校整備計画」(2010年から5カ年)を策定、12年4月に境町の高校跡地に新設、15年度には常陸太田市の小学校跡地に新設を計画しています。しかし「整備計画」は教室不足を解消するものにはなっておらず、大規模・過密校の分離新設など「整備計画」の抜本的見直しが必要になっています。
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通学路の安全─対策必要1890ヵ所
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通学路での交通事故が相次いでいます。
県の緊急点検の結果、小学校の通学路のうち対策が必要な場所は1,890ヵ所にのぼり、1校あたり3ヵ所以上の危険な場所があることがわかりました。「道路が狭い」「見通しが悪い」「人通りが少ない」「大型車が頻繁に通る」などが挙げられています。
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2. 「重点」にしてきた大型開発は…
県民には「財政難だから」と“痛み”を押し付けながら、莫大な税金をつぎ込み続けてきた大型開発。企業呼び込みの工業団地や港湾建設、新たな水開発などの現状はどうなっているのでしょうか。
ひたちなか地区開発
常陸那珂港区
─総事業費は6,800億円、すでに3,340億円を投入
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常陸那珂港区建設は、東海村とひたちなか市にまたがる海岸を埋め立て、太平洋に北、中央、南の3つのふ頭を建設する巨大事業です。
総事業費は6,800億円で、すでに3,340億円が投入され、その半分は県負担です。
入港する船舶は1日3.5隻程度で、取扱貨物量も大きな伸びはありません。11年度の貨物量の3割は、北ふ頭に立地する東電常陸那珂火力発電所用の石炭が占めています。
県は2001年に「需要が見込める」などとして中央ふ頭建設に着手、今後、3,460億円を投じる大事業に踏み出しています。
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大企業の「専用港」に─さらに中央ふ頭に工業用地造成
141巨費を投じて建設された北ふ頭は現在、日立建機、コマツの両社が製造した大型建設機械の“専用積み出し港”と化しています。
県は当初計画で「港湾関連用地」だったところを、工場が誘致できるよう用途変更し、企業の要請に応えてきました。橋本知事は「輸出型産業が輸送コスト削減のために臨海部に進出する動きが強まっているため」と説明しています。
6月の国への要望では、大手建設機械メーカーの生産体制が増強され、中ふ頭に大水深岸壁の整備が必要になったとして予算措置を求めています。
県有地に大型商業施設─米国資本の量販店も進出
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ひたちなか地区に県が造成した開発用地の8割以上は大型商業施設で占められています。これまで複合型商業施設や大型ホームセンター、家電量販店など相次いで出店。
さらに米国資本の倉庫型量販店の進出も決まっています。
地元商工会議所が県に見直しを要望
ひたちなか地区への大型商業施設の集中誘致にたいし、地元のひたちなか商工会議所は橋本知事に「これ以上の大型商業施設の立地は控えてほしい」と要望。
ひたちなか、東海の両市村も土地の利用・処分のあり方について協議の場を設けるよう県に求めています。
しかし県は残る開発用地についても「特定機能に限定することなく誘致する」(13年6月の県議会)と商業施設も積極的に受け入れていく姿勢です。

茨城空港
需要予測下回る─「利用促進」と毎年税金投入
2010年3月、茨城空港は「北関東の玄関口」「首都圏第3の空港」などとアピールし開港しましたが、3年を経過しても国内便は開港時の需要予測を大きく下回ったままです。自民党議員からも「目標に遠く及ばず期待はずれ」(12年9月の県議会)と指摘されています。
県は「利用促進」などを理由に空港対策費として12年度10億5千万円、13年度も10億2千万円を予算化し税金投入を続けています。
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軍事基地と共用の危険─新滑走路を自衛隊も使用
航空自衛隊百里基地は、F15戦闘機や偵察機が配備されている実戦基地です。年間の発着回数は3万回にのぼります。
同基地はこれまで滑走路が1本しかなく、誘導路も住民の「一坪運動地」によって「くの字」に曲げられ、「欠陥基地」といわれてきました。
「共用化」によって自衛隊は新滑走路を自由に使用できるようになりました。
基地機能の強化は米軍との大規模な訓練も可能となっています。自衛隊は11年度、新滑走路を年間600回使用しています。
米軍再編による百里基地での日米共同訓練
【第1回】07年10月15日~19日(三沢基地・タイプI)
【第2回】08年1月16日~20日(同・タイプI)
【第3回】09年10月2日~9日(嘉手納基地・タイプI)
【第4回】10年1月29日~2月5日(同・タイプII)
【第5回】12年2月13日~24日(岩国基地・タイプII)
(タイプI)1機から5機の米軍機が1~7日間にわたって実施する訓練
(タイプII)6機から12機が8~14日間実施する大規模訓練

水開発・ダム
実績とかい離する水需要予測
県の長期水需給計画(2007年3月改定)は2020年を目標年次に、1人1日最大給水量を450リットル、1日最大給水量を143万1,000立方メートルにするというものです。
これは04年度に比べて1人1日最大で1.15倍、給水量で1.37倍に当たります。ところが県内の給水量は1995年からほとんど横ばいか減少傾向にあり、県の予測は実態と大きくかけ離れています。
県は長期水需給計画の改定で日量47万立方メートルも余ることを認め、計画水量を縮小しましたが、過大な水需要予測は見直そうとしていません。
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保有水量は給水量の1.14倍
県内市町村の給水量(2009年)である1日最大98万1千立方メートルにたいし、認可地下水28万5千立方メートル、既存水利権85万3千立方メートル、合わせて保有水量は113万8千立方メートルと給水量の1.14倍あります。新規に水開発する39万4千立方メートルは必要なくなります。
新たな水源開発をやめれば、建設負担金などがなくなり、水道料金の大幅値下げにも道が開かれます。
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霞ヶ浦導水事業─当初の目的は破たん
那珂川の水を導水して「霞ヶ浦を浄化」するという事業目的は、那珂川はアオコ増殖の原因である全窒素が高く、むしろ導水によって霞ヶ浦の富栄養化がさらに促進されることが専門家の指摘で明らかになっています。
もう一つの目的「都市用水の確保」は、すでに大幅な水余り状況で新規用水は必要なくなっています。
茨城、栃木両県の関係漁協は「漁業権を侵害する」と事業中止を求めています。
◇事業主体:国土交通省
◇総事業費:約1,900億円
◇工期:1984年度~2010年度
(5年延長、2015年度まで)
事業費の進捗状況
総事業費…1,900億円
08年までの進捗率…76.3%(1,450億円)
八ッ場ダム─利水・治水とも必要性ない
八ッ場ダム事業(群馬県長野原町)は利水・治水とも必要性がなくなっています。首都圏の水需要も減少傾向で、本県を含め「水余り」状況です。洪水対策の効果も薄いことが明らかになっています。
計画発表から60年、ダムをめぐって苦しめられた住民の生活再建と地域振興を国に求めるべきです。
八ッ場ダム建設事業の本県予算
総事業費…4,600億円
うち本県負担額…268億円
(内訳)治水分126億円、利水分142億円
2011年までの県負担…221億円
(内訳)治水分104億円、利水分117億円
水道会計─黒字分は水道料金の引き下げに
市町村に水道水を供給している県の広域水道事業は2011年度、4つの事業全てで黒字を計上しました。関係市町村長は、他県に比べて高い水道料金の値下げを求めています。しかし、純利益25億円は値下げに還元されることなく、剰余金として積み立てられました。
4つの広域水道事業の2011年度決算での黒字額
県中央… 2億7,500万円
鹿行…… 4億500万円
県南……13億1,600万円
県西…… 5億3,100万円

県保有地
売れ残りは1,207ヘクタール
県や開発公社、土地開発公社が保有する工業団地など売れ残り土地は1,207ヘクタール、借入残高は3,452億円にのぼります。
234ヘクタール保有していた住宅供給公社は2010年9月に、都道府県では初めて破産を申し立てました。
県が開発公社に委託して開発した工業団地のうち、売れ残っている9割は、バブル経済崩壊後に取得し事業化したものです。
開発を控えるべき時期に事業を拡大し、財政を悪化させた県政運営の責任が問われています。
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TX沿線開発
多額の将来負担─大規模宅地開発
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つくばエクスプレス(TX)沿線開発は、県などが事業主体となり、8地区1,700ヘクタールに人口10万人を呼び込もうという大規模宅地開発です。
県の先買い用地費や区画整理事業費は金融機関などからの借金でねん出されました。
TX沿線開発全体の県債残高は1,838億円(2010年度末)です。地価は下落傾向にあり、先買い地が処分できたとしても将来負担額は764億円(11年度決算ベース)にのぼります。ただし、県はTX鉄道会社からの償還剰余金があり、実質的な将来負担額は433億円を見込んでいると説明していま す。
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3. 県民にのしかかる開発のツケ
大型開発につきすすんできた結果、残されたのは借金の山です。この借金返済に県民の税金がつぎ込まれています。県民の福祉と暮らしをまもるために使われるべき財源が、開発のツケに消えていっていいのでしょうか。
破たん処理
これまでの税金投入は1,613億円─当初予算の3倍も
売れ残り工業団地や開発用地の破たん処理予算が急増しています。2013年度当初予算を含めると、これまで1,613億円の税金が投入されました。
当初予算に100億円規模を計上しながら、最終補正でその2~3倍と大幅に増額するという県民をだますやり方です。
この財源は県税収入増額分などの一般財源です。本来、県民生活を守るために使われるべきものです。県民の願いより開発の破たん処理を最優先にする財政運営でいいのか、いま大きく問われています。
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県債残高
橋本知事のもとで借金は3.6倍に増大
県の借金である県債残高は、2012年度で2兆円を超え、過去最高となりました。年間予算の1.8倍、橋本県政5期20年で3.6倍に増えました。
県債残高の増大にともない、毎年の借金返済である公債費が増えています。13年度当初予算で1,454億円、歳出全体の13.5%を占めています。
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県債の使い道─7割以上は公共事業関係
港湾や水開発、企業誘致のための大型開発をすすめてきた結果、公共事業関係の県債残高は通常県債の7割以上を占めています。
第3セクター債は住宅供給公社の破産処理の際に発行したもので、債務保証を新たな借金で処理したものです。「特例的県債」の「臨時財政対策債」は地方交付税の財源不足分を肩代わりして自治体が発行するもので、2001年度から始まりました。返済(元利償還)の際、全額を地方交付税で措置(地方交付税の算定に編入)するというものです。
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将来負担比率─全国ワースト4位
本県の「将来負担比率」は276%と全国ワースト4位です。「将来負担比率」は、公社や第3セクターを含めて将来負担すべき負担額にたいする比率です。将来財政を圧迫する可能性の度合いが高い指標といわれています。
本県は、県債残高の増加に加えて、保有地対策やつくばエクスプレス(TX)沿線開発などの将来負担が多額となっています。
将来負担比率
1位 兵庫県…351.7
2位 北海道…334.8
3位 新潟県…281.5
4位 茨城県…276.2
5位 富山県…270.5
6位 広島県…260.4
(2011年度決算)

税金免除
進出企業への免除額は10年間で280億円
本県は2003年度から県内に工場などを新規立地・増設した企業にたいし、不動産取得税と法人事業税の3年間免除をしています。免除総額は10年間で約280億円にのぼります。免除を受けている7割以上は資本金1億円以上の企業です。
売れ残り工業団地を抱えているなかで「企業誘致の呼び水」(橋本知事)として創設されました。
免除税額
03年度…7,200万円
04年度…14億2,500万円
05年度…26億8,400万円
06年度…35億7,400万円
07年度…57億1,200万円
08年度…70億2,300万円
09年度…40億6,600万円
10年度…14億4,300万円
11年度…10億6,200万円
12年度…9億900万円
03~12年度の免除額累計… 279億6,700万円
(法人事業税172億2,700万円、不動産取得税107億4,000万円)

4. 原発災害から県民をまもる
福島原発事故の被害は2年を過ぎても拡大しつづけています。環境の除染、廃棄物や土壌、焼却灰の処理など重要課題が山積しています。
農産物の検査体制強化や健康調査の実施を求める声は切実です。
原発災害から県民の命と健康、生活をまもる県政の取り組みが求められています。
放射能対策
子どもの健康調査─県独自の実施は拒否
放射能汚染による健康への不安が広がり、若いお母さんなどから子どもの健康影響調査を求める声が高まりました。
低線量被ばくによる健康被害は不明点が多く、長期にわたり健康状態を見守る必要があるためです。子どもや妊産婦、希望者への内部被ばく検査、尿検査、甲状腺超音波検査の実施が求められました。
しかし橋本知事は「現時点で内部被ばく検査など健康調査は必要ない」(2011年12月の県議会)と答え、健康調査の実施を拒みつづけています。
栃木県は小学生を対象にした内部被ばく検査などに踏み出しました。放射能被害から子どもと県民をどう守るか、県政の役割と責任が問われています。
県議会保健福祉委員会が県に実施申し入れ
県議会保健福祉委員会(11年12月20日)は、子どもや妊産婦、希望者に対する放射線被ばく健康調査の実施を求める申し入れ書を採択し、県保健福祉部長に申し入れました。
申し入れでは、県が「健康調査を実施する必要はない」と答弁していることにたいし「数値をもって『安全』を強調しても、県民の『安全』を得ることは困難」と強調し、健康影響調査の実施、検査・相談体制の充実を求めています。

地域防災計画
30キロ圏内に「地域防災計画」
県はことし3月、原発事故の際の地域防災計画を策定しました。東海第2原発から半径30キロを、必要な防護措置をとる区域、5キロを事故時に即時避難する区域と定めています。
計画素案にたいする意見募集には、「再稼働に反対及び廃炉の明示」「避難先、避難経路の明示」「UPZの範囲が狭い」「安定ヨウ素剤の事前配布」などの意見が寄せられました。
●5キロ圏のPAZ(予防的防護措置を準備する区域)4市村=人口約6万人
●30キロ圏のUPZ(緊急時防護措置を準備する区域)14市町村=人口約94万人
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東海第2原発
3.11─原子炉事故寸前だった
2011年3月11日、地震発生後の午後2時48分、原子炉は自動停止しましたが、外部電源を喪失し、3台ある非常用発電機のうち1台は津波の影響で水没し停止しました。
原子炉の冷却は残された2台の非常用発電機でおこなわれ、冷却のための注水と蒸発による圧力上昇を抑えるための弁の操作を頻繁に繰り返す「綱渡り」の操作が続きました。
原子炉水温が100度未満、圧力が大気圧と同じとなる冷温停止となったのは3日半たった15日午前0時40分、通常の倍の時間を要しました。
「安全に冷却できた」(日本原電)などとはいえない状況でした。
東日本大震災後の東海第2原発の状況
3月11日
14時46分…地震発生
14時48分…原子炉自動停止
外部電源喪失。非常用ディーゼル発電機3台起動
緊急時炉心冷却機器による原子炉冷却開始
19時25分…非常用海水ポンプ室冠水。非常用発電機1台停止
13日 19時37分…外部予備電源(154キロボルト)復旧
15日 0時40分…原子炉冷温停止
18日 15時06分…外部常用電源(275キロボルト)復旧
再稼働の危険─老朽原発、全国一の人口密集地
(老朽化)東海第2原発は1978年11月に営業運転を開始、ことしで35年を経過します。定期検査では原子炉のシュラウドサポートに40ヵ所以上のひび割れが見つかるなど老朽化の症状を顕著に示しています。2011年5月からの第25回定期検査でも、蒸気乾燥器のひびや高圧炉心スプレイ系に部品の一部が脱落していたことが確認されています。
(人口密集地)住民の避難などが必要になる30キロ圏内に94万人、該当する市町村の全人口では106万人に及ぶ全国一の人口密集地です。橋本知事は「県内のバスを総動員しても、1回24万人しか搬送できない。一斉避難は不可能」(12年3月の県議会)と答弁しています。
「東海第2原発の再稼働阻止・廃炉をめざす県民センター」は、橋本知事あてに6次にわったて署名を提出、署名総数は現在約30万人分に及びます。

自然エネルギー
再生可能エネルギーに恵まれている茨城県
県が調査した再生可能エネルギーの利用可能量は、太陽光、風力、バイオマスだけでも225万キロワット、原発2基分に相当します。
再生可能エネルギーの導入は新たな産業と雇用を創出し、地域経済を活性化させます。しかし県は2011年度に住宅への太陽光発電の補助制度を廃止しました。
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県民の福祉と暮らし、地域経済を支える県政へ
県民の暮らしの条件がますます悪化しています。国保税滞納世帯が2割を超え、生活保護世帯も増えています。「暮らし応援」の県政への転換は県民の切実なねがいとなっています。
福祉と暮らし最優先に
第1は、福祉と暮らしに最優先で取り組む県政への転換です。
橋本県政はこれまで、「行財政改革」の名のもとに、福祉サービスの切り捨て、福祉施設の統廃合をすすめ、全国最低クラスの福祉水準をさらに引き下げてきました。県民の願いがいくら切実であっても、国の制度以上のことはやろうとせず、国が制度改悪すれば、いっしょになって県民に“痛み”を押し付けてきました。国の悪政いいなりでは県民生活は守れません。
県政に県民の暮らしの「防波堤」の役割が求められています。「住民福祉の機関」という自治体本来の立場に立ち返り、「生存権」を保障する憲法を生かした県政に転換するときです。
地域に根ざした産業振興へ
第2は、地域に根ざした産業振興への転換です。
地域にある力、産業を育て、伸ばし、雇用を増やすことは産業振興の基本です。しかし、茨城県政はこれまで企業呼び込みのための大型開発に巨額の税金を投入してきました。
その結果は、開発計画が破たんし、多額の県民負担だけが残されました。
「開発すれば企業が進出し、地域が栄える」という「開発神話」からの決別が必要です。地域経済を支える中小企業を支援し、地場産業と農林水産業を応援する県政に切り換えることです。
原発から撤退し、自然エネルギーの普及・促進に取り組むなら、地域密着型の新産業を生み出し、雇用を創出し、地域経済の振興に大きな力となります。
全国8番目の財政力を県民のために
本県の財政力は全国8位です。大型開発中心の税金の使い方から抜け出してこそ、県民の福祉と暮らし、地域経済をよくする道が開かれます。
公共事業の中心を、学校耐震化や福祉施設の改修、県営住宅建設、生活道路改良など、県民生活に役立つ分野に切り換えるなら、少ない予算総額で地域経済に大きな波及効果を生み出すことができます。
巨額の税金投入が必要な大型開発をやめ、県民の暮らし優先へ転換すれば、財政再建への道も開かれます。
県民の福祉・暮らし応援の県政へ、力をあわせましょう。

大内久美子県議の県政報告
2013年7・8月(部内資料)

発行/日本共産党茨城県議事務局
〒310-8555 水戸市笠原町978番6
茨城県議会内日本共産党議員室
電話・FAX 029(301)1387

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