茨城県知事選 田中重博氏、決意語る

大型開発優先にストップ 福祉第一の県政つくる
8月22日告示の茨城県知事選(9月8日投票)に「明るい民主県政をつくる会」から立候補を予定している田中しげひろ氏(66)=茨城大学名誉教授=は、地方自治や地方財政を研究してきた「地方自治の専門家」です。田中氏の生い立ち、これまでの活動と選挙戦への決意を紹介します。
田中さんは1947年、大阪府豊中市生まれ。4歳のときに父をなくし、12歳上の兄が農業で生計を担う家庭で育ちました。子どものころは「兄の農作業をよく手伝いましたね」と話します。
京都大学経済学部に進学し、財政学の権威であった島恭彦教授に師事しました。1975年、茨城大学人文学部の講師に就いてから38年間教鞭を執り、副学長などを歴任しました。茨城大学で職に就いた同じ年に設立された茨城県自治体問題研究所の活動に参加し、住民本位の地方自治とは何か、調査・研究に取り組んできました。
1999年から全国で進められた政府主導の市町村合併。橋本知事のもと、茨城県内でも83の自治体が合併で44まで減少しました。
職員減、行政組織の統合…合併自治体で行政サービスが切り捨てられる実態に心を痛めました。
「『行財政の効率化』『地方分権の受け皿』の名目で、中には強権的に合併を進めた自治体もありました。その矛盾が、役所の窓口が遠ざかり高齢者が利用できないなどの形で現れました。市町村の自立・自治促進へ支援するのが、県の本来の役割です。それに逆行してきたのが橋本県政です」
今年、大学を定年退職しました。間もなく「明るい会」から立候補を打診されました。
田中さんは言います。
「茨城県には全国8位の財政力があります。これを生かして、大型開発優先の県政の流れをかえて、くらし、福祉第一の新しい茨城県をつくるために、幅広い県民のみなさんと一緒に頑張る決意です」
(「しんぶん赤旗」首都圏版 2013年8月21日付より転載)