2011年05月

地震・津波で外部電源も非常用内部電源1台の停止
老朽化症状の東海第2原発は廃炉に

       日本原電から説明を受け、東海第2原発の廃炉を
要請する 党議員ら(5月12日、東海村)

 日本共産党茨城県委員会は12日、日本原電にたいし「県原発を考える会」とともに東海第2原発の廃炉を要請しました。大内久美子県議と東海村議団ら関係議員らは、3月11日の地震発生時の東海第2原発の状況について詳しい説明を求めました。
 原電側は、原子炉は自動停止したが送電線の故障で外部電源が断たれ、内部電源の非常用ディーゼル発電機も津波の影響で1台が停止し、外部予備電源が復旧する13日まで残る発電機2台で炉心を冷却しつづけたと説明しました。
 津波で水没したのは非常用ディーゼル発電機の冷却用海水ポンプ1台。海水ポンプ室は高さ6・1メートルの側壁で囲まれていましたが、ケーブルピットといわれる側壁の貫通部から浸水しました。地震発生時は貫通部をふさぐ工事途中だったといいます。津波は5・4メートルの高さがあり、あと70センチ高い津波が押し寄せていたらすべてのポンプが使えなくなったと見られます。
 原電は、「福島の事故は重く受け止めている」とのべ、福島第1原発のデータを踏まえ、高さ15メートル級の津波に耐えられる防潮堤の建設を検討しているとのべました。さらに非常用ディーゼル発電機代替電源の確保として電源車を11月には配備するとしています。
 運転再開の時期については「申し上げられない」と明言を避けました。プルサーマル計画の実施については「課題としてはもっているが、津波・地震対策を最優先にする。ことしの事業計画から外した」とのべ、先送りする考えを示しました。
 提出した要請書は、今回の巨大地震と大津波によって国や電力会社が「『止める』『冷やす』『閉じ込める』の機能により原子炉災害は起こらない」としてきたことの破たんが明確になったと指摘。東海第2原発は運転開始後33年になり、定期検査のたびに老朽化の症状が顕著に示しているとのべ、「巨大地震や大津波に繰り返し襲われることを考えるならば危険極まりない」「住民の安全を最優先に考える立場から、東海第2発電所は廃炉に」と要請しています。

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